孤立する石破氏、遠ざかる「ポスト安倍」への道 締め付け強まれば「石破離れ」の可能性も

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僅差で敗れた石破氏は党ナンバー2の幹事長に就任し、その後の2年間は「安倍・石破体制」での党運営が続いた。しかし、新安保法制実現を目指した安倍首相が2014年夏、防衛政策に精通する石破氏に「安保法制担当相」への転身を打診した際、「首相との基本認識の違い」を理由に拒否したことなどから関係が悪化した。

2014年9月の内閣改造・党役員人事で、石破氏は地方創生相に起用されたが、党内では「座敷牢に入れられた」(閣僚経験者)と評された。

石破氏は2015年9月の総裁選では「安倍内閣の閣僚」であることを理由に総裁選出馬を断念して地方創生相として留任する一方、総裁選後に石破派を立ち上げてポスト安倍を目指す立場を鮮明にした。そのあと、2016年8月の内閣改造で自らの意思で退任して以来、「党内野党」の立場を続けている。

「冷や飯をおいしく食べています」と皮肉る

昨年9月の総裁選出馬の際、石破氏は党内の首相支持派からの攻撃に「冷や飯を食わせろとかいうのは、まさにパワハラだ」などと反発。実際に総裁選後に人事で干されると、「冷や飯をおいしく食べています」と安倍首相を皮肉ってみせた。

党内での孤立を恐れない石破氏の自信を支えているのは、この総裁選で獲得した地方票の45%だ。約5年に及んだ幹事長・地方創生相時代に「とにかく地方を回り、地方議員らと意見交換した」(石破氏)ことによる政治的財産でもある。

ただ、今年7月の参院選では、自民党公認候補者からの応援要請が激減した。筋論を重視する石破氏は「党の結束を優先して首相批判を封印して臨んだ」(石破氏側近)とされるが、選挙期間中の応援先は10都県にとどまった。

「令和おじさん」として引っ張りだこだった菅義偉官房長官や、超人気弁士の小泉進次郎党厚生労働部会長と比べて影の薄さが際立った。前回総裁選で約半数が石破氏を支持した竹下派からも「党内での影響力低下が、地方での人気下落にもつながっている」(竹下派幹部)との声が出る。

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