三菱「パジェロスポーツ」日本へ逆輸入はあるか 7月からアセアンなど約90カ国で販売を開始

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一方で、ピックアップトラックが売れている市場では、より以上の頑丈さを、より低価格で手に入れたいという欲求がある。全国的に舗装路が完備した日本と異なり、未舗装路は路面の凹凸が大きく、そこを通過する際の衝撃は大きい。

パジェロスポーツは90カ国での展開を予定している(写真:三菱自動車)

そうした要望に応えながら、パジェロスポーツも、外観に三菱自のダイナミックシールドと呼ばれる特徴的な顔つきが与えられ、室内では、8インチの液晶メーターや、スマートフォンと連携した8インチのスマートオーディオなどを装備し、先進さを印象付ける改良が行われている。

走行性能については、三菱自独自のスーパーセレクト4輪駆動(SS4-Ⅱ)といって室内で2輪駆動と4輪駆動の切り替えを行える最新の駆動システムを装備し、日常から悪路まで万全の走行性能を備える。エンジンは、排気量2.4Lのディーゼルターボである。これに8速自動変速機が組み合わされる。

カギを握る「消費者の声」

パジェロで培われてきた走行技術が投入されるパジェロスポーツではあるが、現状、国内への導入の予定はない。また、アウトランダーのようなプラグインハイブリッド化の情報もない。

SUV人気は、より乗用車的な乗り味が背景になっているとはいえ、アメリカのジープや、ドイツのメルセデス・ベンツGクラス、あるいはイギリスでは新型ディフェンダーの開発が行われるなど、悪路での実力を何より求める顧客層が世界的にあるのも事実である。

そうした嗜好の日本の消費者が、パジェロスポーツを試したいとの思いになる可能性はある。その声が強まれば、いずれ日本市場への導入を三菱自が判断するときがくるかもしれない。

三菱自の販売会社が中心となって展開されるスターキャンプの催しでは、三菱自のSUVの、極限における走破性の高さに魅了された顧客が多く集まる。SUVと電動車両に資源を集中する三菱自において、パジェロスポーツもまたSUVを補強する1台であるのは間違いないであろう。

日本市場への導入は、まさに顧客からの要望の多さ次第であるかもしれない。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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