三菱「パジェロスポーツ」日本へ逆輸入はあるか 7月からアセアンなど約90カ国で販売を開始

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8月に国内販売を終えたパジェロ(写真:三菱自動車)

パジェロは、長年にわたりパリ~ダカール・ラリーなどで好成績を収めてきたように、本格的4輪駆動車として悪路走破性で優れた能力を発揮してきた。同時にまた、近年のSUV人気に通じる日常的な快適性も備える進化を果たしてきたのである。

これに対し、パジェロスポーツはあくまでもピックアップトラックのトライトンを基にした構造であり、悪路走破性はもちろんのこと、長持ちする丈夫さが不可欠とされる市場で人気を集めるSUVである。それが、未舗装路があるアセアン諸国やオーストラリアなどを主力市場とする販売戦略にもつながっている。

姿を消していったピックアップトラック

日本においても、日産自動車のダットサントラックや、トヨタのハイラックストラックなどピックアップトラックが、仕事をする人たちを長年支えてきた歴史がある。三菱自のフォルテや後継のストラーダなども同様だ。

しかしそれらピックアップトラックは、日本国内においては2000年代あたりで姿を消していく。ピックアップトラックを愛用してきた人たちは、ワンボックス型の商用車や、軽トラックに乗り換えることになった。

1998年に軽自動車規格が改められ、登録車と同等の安全基準が導入された。車両価格はもちろん、税や自動車保険の面で経費を軽減できる軽商用車に魅力を感じたこともあるだろう。あるいはトヨタは、ダイハツがインドネシアで生産しているライトエースのバンとトラックを逆輸入して販売している。そのほうがより廉価な商用車にできるからだろう。日本においては、かつてのピックアップトラック市場は大幅に縮小した。

そして国内のSUVは、RV時代のようなピックアップトラックを基にするのではなく、乗用車を基にして開発されるようになった。例えば初代ハリアーは、4ドアセダンのカムリを基に開発された。

悪路走破性を保つための車体も、以前のラダーフレームを用いなくても車体そのものを頑丈につくる手法を採り入れることで満たしながら、日常的な快適さを両立できるように技術が進化した。技術的背景にあるのは、乗用車の衝突安全性向上だろう。衝突による衝撃吸収力を高めながら、快適さを保持する車体構造が、SUVのための頑丈さも実現することになる。

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