「週6日、毎日通ってSSTというソーシャルスキルトレーニングやエクセルの勉強をしました。3カ月前に一度企業に就職できたのですけど、上司にイジメられて辞めました。3週間くらいしか続かなくて、そのストレスでまた鬱病の状態が悪くなって希死念慮が再発した。お金もうまく管理できなくて、どうしても余計な買い物をしてしまう。先月はスピリチュアル系の指輪を買ってしまって、まあ5000円くらいですけど。それで月半ばまでお金がもたなかった。それで自殺しようみたいな感じになってしまいました」
生活保護は8万円弱の生活扶助に家賃補助、就労支援センターへの支払いは教育扶助がでている。8万円弱の金額で光熱費、通信費、衣料、食費などを賄わなければならない。最低限度の生活ができる金額であり、無駄使いをしてしまうと、最低限の生活もできなくなる。
生活保護だと1000円、2000円の無駄使いがダメージが大きく、彼女のように命を捨てようとまで発展してしまうこともあるのだ。
最も問題視されたのは「お金使い」
最も問題視されたのは「お金使い」だった。先日、就労支援センターのセンター長、病院に同行した相談員、生活支援センターのソーシャルワーカー、それに西田さんが集まってカンファレンスが行われた。
「月のお金の用途をすべて書きだして、1つひとつを検証するみたいなことをしました。携帯を格安に変えようとか、コンビニ弁当ではなく自炊とか。モバイルWi-Fiは解約するとか。それと2000円以上の物を買うときは、必ず誰かに報告して許可をもらうとか。いろいろ心配してくれて、助言してもらって、私はまだ生きていていいんだって前向きな気持ちになれました。自己肯定感がでた、というか」
彼女は貧困で苦しむ女性に、諦めないで誰かに頼れば救われることもある、ということを伝えたがっていた。
「就労支援センターの方々に支援をされたことで、お金があろうとなかろうと、生きていればそれでいいのかな。そう思えるようになりました」
洋服の物欲はなくなった。あとは細かい無駄使いをなくすだけ。就職も決まって、もう少しで生活保護から抜けて普通の生活ができる。生きていいと気持ちがポジティブになってから、日々が充実しているようだった。
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