敗者復活人事で管理職層の活性化を!
女性の管理職比率が先進諸国と比較して低い日本企業では「ポジティブアクション」に取り組んでいる。
ポジティブアクションとは「固定的な性別による男女の役割分担意識や過去の経緯から、①営業職に女性はほとんどいない②課長以上の管理職は男性が大半を占めている 等の差が男女労働者の間に生じている場合、このような差を解消しようと、個々の企業が行う自主的かつ積極的な取組み」をいう。
具体的には、管理職登用などにおいて母数の少ない女性を優先的に抜擢することで、後に続くハイパフォーマー女性社員を刺激し、女性の管理職を積極的に増やしていこうとする人事施策である。
最近新聞でよく見かける「○年後、女性管理職比率10%!」という記事がそれである。
この施策に異論はないが、、むしろライン管理職(組織の責任者)を外れた、或いは組織責任者になれない担当課長・担当部長の復活人事についてもっとポジティブアクション(優遇政策)をとってもらいたい。
彼らのサラリーマン人生は少なくとも65歳まである。
45歳で課長を外れた担当課長が決して高いとは言えないモチベーションで、その後の 20年間を大過なく過ごそうと考えるとすれば、会社にとっては非常に効率の悪い人材マネジメントを強いられる。
会社はポジティブアクションをしてでも、担当課長のライン管理職復活人事をすべきである。
一方の担当課長は諦めずに「危機感」を持ちながらも、復活人事を期待する「前向きな」働き方をすべきである。
この両者の思惑がうまく絡まった時、組織のパフォーマンスがより高いものになるのではないか。
草食系の若者が相対的に増えてきた現状を考えると、伸び代はあるかもしれないが、子育てやワークライフバランスを重視する中堅社員に過度な期待をするより、既に実績のある中高年に復活のチャンスを与えることのほうが良い結果が出る可能性は低くないはずである。
プロ野球界であれば、高額年俸を支払っている実績のあるFA選手は、所属球団から過去の実績の再現を期待されているし、本人も体力的な衰えをカバーするだけのスキルを磨いている。
ビジネス界においても、プロ野球でいうFA選手といえる担当課長・担当部長には、企業も全盛期以上のパフォーマンスを期待していることを示し、本人もこれまで以上のパフォーマンスで応えるようとする気持ちが必要だ。
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