『社内でのキャリアチェンジは可能か?』(38歳男性) 城繁幸の非エリートキャリア相談

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<城繁幸氏の診断>

診断:『仕事のやりがいとは』 

 いつまでも第一線で活躍したい・・・・。これは人間誰しも願うことでしょう。老若男女の別なく、自分の居場所=役割の与えられる場所は不可欠であり、私はそれこそが“生きがい”だと考えています。会社の中なら、“やりがい”となるわけです。

 年功序列制度の場合、一般に45歳あたりから、それまでの年功に応じた報酬を受け取る期間に入ります。高く安定した報酬が定年まで保証されるわけですね。

 ただ、やりがいという意味では、必ずしも皆が満足できるわけではありません。業務上の裁量を握ってより成熟したビジネスに携われるのは、少なくとも部長以上の序列に上がれた人間だけでしょう。そして、その比率は年々低下しているのが実情です。そんな中で、仕事一筋に生きてきたのに活躍の場を与えられず、社内でぽつんとさびしく過ごす人が増えています。

 考えてみればもったいない話ですね。人生50年ならぬ、人生82年の時代です。折り返し地点を過ぎたあたりで、「そこから先は、もう余生」的な生き方を受け入れてしまうのは。

 年功序列にしろ、60歳定年制にしろ、日本が日の出の勢いで成長した時代にはマッチしていたかもしれません。

 しかし、時代が変わった今、新しいシステムと、それを受け入れる価値観を生み出すべきだと、私は考えています。

 具体的には、仕事以外に居場所を探すという生き方もあるのですが、あくまでプレイヤーとしての第一線にこだわるという姿勢に、強い男気を感じました。

 異動が原則同一事業部内ということは、少なくとも異動に関する人事権は、人事ではなく事業部単位で握っているということになります。いろんな職種をたらい回しにするゼネラリスト育成や、幹部候補だけ専門的にキャリアを積ませるという早期選抜制とは無縁の世界でしょう。現在、もっとも一般的な日本型ローテーションだと思われます。

 このタイプの特徴は、異動は事業部側の業務都合が最大の理由であるということ。営業部門などでは、「風通しをよくするため」などの理由で数年おきに転勤させるケースもありますが、原則は「人が足りない部署に、余裕のある部署から持ってくる」というスタンスが基本となります。

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