巨大ブルドーザーが街を襲った驚愕事件の顛末 警察カメラが撮っていた「激戦3時間の記録」
最初に襲いかかったのは、あのコンクリート工場だった。続いて、工場の建設許可を出した前市長の家、銀行、新聞社など次々に破壊を繰り返していく。ついには、プロパンガスタンクのある貯蔵施設へと向かっていく。
その北側には、住宅地があり、ガス爆発を起こせば、大惨事になる危険性がある。キルドーザーからガスタンクに向かって銃を連射するヒーマイヤー、この緊迫した状況に警察は超強力ライフルなどを使って闘いを挑んだ。
さらに、キルドーザーの行く手を阻むべく、大型重機「スクレイパー」を動員したのだが、圧倒的なパワーの前になすすべもなく、失敗に終わる。
現場に駆けつけた警察官はわれわれの取材に対し、当時の心境をこう語った。
「キルドーザーで破壊を続けるヒーマイヤーから町を守ることは不可能だと思っていました」
ヒーマイヤーが迎えた最後
しかし、事件は意外な結末を迎える。キルドーザーでの破壊行為開始から3時間……突如、あのモンスターマシンから大量の煙が上がったのだ。エンジントラブルだった。動きが止まったキルドーザー……警察が犯人確保に向かおうとした矢先、内部から銃声が響いた……自殺だった。
結局、15カ所の建物が破壊されたものの、住民への被害はなく事件は幕を閉じた。あれから15年、現場にいた警察官は、当時をこう振り返った。
「彼のしたことは許されることではありません。しかし、こんな悲惨な事件が起きる前に何かできることはなかったのかと、今でも悔やまれます。孤立していく彼を救ってやることはできなかったのかと考えることがあるんです」
事件の一部始終は、8月31日(土)21時からの「ワールドポリスカム~世界の警察が撮った重大事件・決定的瞬間~」(フジテレビ系全国ネット)で放送される。
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