巨大ブルドーザーが街を襲った驚愕事件の顛末 警察カメラが撮っていた「激戦3時間の記録」
2004年6月4日金曜日午後2時すぎ……警察に1本の通報電話が入る。「巨大ブルドーザーが、気が狂ったように走り回っている」と。
巨大ブルドーザーが暴走? いったい、何が起きているのか? 現場に駆けつけた警察官は目を疑った。
目の前に広がる無残な光景……破壊音のする方向へ足を進めると、そこには見たこともない巨大装甲車のような姿が……。
前方には大きなシャベル、武骨な黒い鉄骨に覆われたその車体には運転席が見当たらない。しかも、車体には複数の穴があり、そこからライフルの銃口が顔を出し、警官たちに弾丸を浴びせてくる。
多くの車を押しのけながら、街を破壊、傍若無人に振る舞う姿に、警察官はとてつもない恐怖を感じていた。その時の様子を捉えた映像にも、ただ傍観するしかない警察官の後ろ姿が記録されている。
このままでは多くの人命が奪われかねない。住民を避難させると同時に、警察官は、あらゆる手段を使って、この“巨大モンスター”を止めるべく闘いを挑んだ。
しかし、まったく歯が立たず、銃弾は跳ね返される。
最初にコンクリート工場を破壊した「キルドーザー」は、続いて、街の中心部へ。市役所、銀行、さらには、新聞社の入っているビルへと襲いかかる。
よみがえる当時の恐怖の記憶
当時、このビルにいた新聞社の社員は、われわれの取材に対し、こう語った。
「地震が起きたかのようにグラグラ揺れ始め、その後、建物が一気に崩れ始めた。その後、頭上を銃弾がかすめ、必死に逃げ出したんだ」
昨日のことのように、よみがえる恐怖の記憶、今でも忘れられないという。
一方、別の捜査員は、道に刻まれた大きな轍(わだち)をたどり、「キルドーザー」が生み出されたアジトを突き止めていた。
その場所は、大きな穴が開いたガレージだった。あのモンスターは、このガレージで作られ、壁を突き破り、外へと出てきたのだ。ガレージ内部の壁には、今回の犯行を示唆する手書きの文字が……。
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