「夢を持て」と強要する、大人たちがダメすぎる 「よかれ」が「ドリームハラスメント」になる

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<ドリームキラーのケース>

子どもが夢らしい発言をしたときに、その子どもの夢を壊すような言動をすることがあります。夢を壊すと同時に、希望も壊してしまうという最悪のケースもあります。子どもが発言したときに、その発言に対して否定的な意見を言われた場合、その考えを否定されたのか、自分の人格を否定されたのか、子どもにはその区別がなかなかつきません。

仮に子どもが人格を否定されたと受け取ると、自分自身への希望も損なわれ自己肯定感が低下します。世の中に子どもの夢や希望を意図的に壊そうと思う親はいません。しかし、無意識に壊している可能性が実に多いのです。これを一般に「ドリームキラー(夢の破壊者)」と言います。

ドリームキラーの例1)小学生の子どもが「僕はユーチューバーになりたい」と言った場合
「そんな夢ばかり言っていないで、勉強しなさい!」
「は?ユーチューバー?そんなんで生活なんかできると思ってるの?」と言ったようなネガティブな対応をすること。
ドリームキラーの例2)偏差値の高い中学に行きたいと言った場合
「(うんざりした感じで)模試の結果見たの?」
「よく言うわ」
「じゃ、ちゃんと勉強しないとね!」

これらの言葉は、言われたくない言葉の代表例です。しかし、なぜか親は言ってしまうことが少なくありません。なぜ効果ないと思いながらも言ってしまうのか謎ですが、いずれにしても発言すること自体、意味があるとは思えません。

その言葉は未来につながっているか?

<ドリームサポーターのケース>
「いいね〜」
「応援するよ〜」
「じゃ、今度学校見に行こうか〜」
「計画を一緒に立てていこうか」

先ほどのドリームキラーの例と比べて言葉の種類として何が違うかおわかりでしょうか。ドリームサポーターとは夢を応援する支援者のことですが、これらの言葉はいずれも未来につながっている言葉です。

一方のドリームキラーは、過去のことや現在のことを引き合いに出して潰していくことが多く、現実の延長線上で語る傾向にあります。もし、今までドリームキラーとしての会話をしていた方は、この機会にぜひ、ドリームサポーターの会話を試してみるといいでしょう。

このように、夢を持っていないことに不安を感じることで、夢を強制させるケースがある一方で、夢を潰していくというケースもあります。とくに教育に従事されている方々は、子どもが自身の才能や能力を自然と自覚できるような場づくり、家庭においてはプラス・マイナス含めたさまざまな経験、体験から子どもの長所を見てあげるといいでしょう。それがやがて、子どもの本物の夢につながっていくことでしょう。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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