堀江貴文「結婚という制度に縛られなくていい」 結婚は「田んぼを守るためのシステム」だ

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元妻の浮気観というか、女遊びに対する態度は、寛容といえば寛容だったのかもしれないが、「だったら、そもそも夫婦でいなくてもよくない?」という思いだった。

結局、結婚生活は2年ほどしか保てなかった。延期していた結婚式を、軽井沢で挙げた3カ月後に、僕たちは離婚した。できたばかりの家族を、僕は「捨てた」。人生最初で、最大に近いぐらい、大きな切り捨てだった。 

迷って悩んで、話し合った末の結論だ。どうしたって「捨てる」ことでしか解決できない、つらい案件だった。離婚までの手続きは、大変だった。一度は、生涯添い遂げようと決めた人間関係なのだ。同意して、はい終わり、というわけにはいかなかった。

僕の手がけているほかのビジネスと同じぐらい、頑張って、頑張り抜いて、やっときれいに別れられたという印象だ。家も売った。立地も建物もよかったので、買ったときのほぼ同額で売却できた。家に関しては、損はしなかった。

しかし……寂しかった。自分で「捨てる」と決めた以上、後悔はしなかった。でも、たまに残されていった家のモノのなかから、子どもの写真が出てきたり、子ども用の三輪車を処分するときなどは、ギュッと胸の奥が締めつけられた。

結婚はしなくていい

一度の経験で、改めて強く思う。結婚なんてしなくていい。家族は「捨てるフォルダ」に入れて、問題ない存在だ。

少し専門的な話をしよう。日本での家族制度の起源を、ご存じだろうか? 18世紀のイギリスで起きた農業革命が、日本に波及した江戸時代にさかのぼる。

テクノロジーの進化による農業革命によって、人口は急速に増えていった。ところが、農地を維持していくためにはメンテナンスが必要だ。田んぼは1年も耕さないと、次の年には収穫できなくなってしまう。だから子孫に引き継いで、維持していかねばならない。

子どもが1人ならいいけれど、何人もできると問題だ。田んぼを分割相続していたら、農地が狭くなってしまう。それではいずれ人々が満たされるだけの収穫が得られなくなるだろう。

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