旧民進党「再結集」構想に早くも先祖帰りの声 基本政策、立候補者の調整で難航は必至か

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そのうえ、参院選で大躍進した「れいわ新選組」を率いる山本太郎前参院議員は、「野党共闘で政権交代を狙う」と公言しており、枝野氏もれいわとの共闘には前向きだ。

しかし、山本氏は「消費税廃止の旗は降ろさない」としており、財務省出身で財政再建論者の玉木氏にとっては「共闘への高いハードル」(立憲幹部)となる。

政権構想で旧民主党の二の舞も

衆院選のために統一会派を組み、その後合流する場合の最大の難問は候補者調整だ。れいわは候補者を100人擁立する方針を掲げ、立憲はすでに170人近い候補者を決めている。そこに国民と社保会議が加われば、候補者調整が混乱し、収拾不能となることは目に見えている。

しかも、政権構想を掲げるとなれば、憲法改正や消費税、原発などの基本政策での合意はあいまいにせざるをえず、「バラバラ」と揶揄された挙句に分裂した旧民主党の二の舞にもなりかねない。

一方、新会派の名称も問題だ。立憲は会派名を変えずに吸収合併を狙うが、国民は名称も含めた新会派を主張している。ただ、その名称は将来の新党の名称にもつながるだけに、簡単には決まりそうもない。「立憲も国民も使わなければ、結局、民主党」(立憲幹部)となれば、「まさに昔の名前で出ています」(同)。安倍首相から「本当に、あの悪夢の民主党が戻ってきた」と攻撃されるのは避けられない。 

そもそも、旧民進系議員は「民主党政権への明確な反省を国民に示さないまま分裂し、新党を作った」(自民幹部)とみられている。「基本政策も変わらず、中枢メンバーも民主党政権時代と同じなら、まさに単なる先祖帰り」(同)となる。

ただ、現状の「多弱野党」のまま次期衆院選を迎えれば、参院選と同じ結果となる可能性は極めて高い。橋下氏は冗談交じりに「安倍政権を倒す早道は、国会であえて安倍改憲を進めさせて、国民投票で否決させるしかない」と指摘する。

枝野、玉木両氏は15日に党首会談を開き、最終調整に入る。政権交代を目指して主要野党を背負う両氏にとって、今回の再結集構想が「結果はどうあれ、炎天下での、進むも地獄、退くも地獄の試練」(国民幹部)となることは間違いなさそうだ。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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