旧民進党「再結集」構想に早くも先祖帰りの声 基本政策、立候補者の調整で難航は必至か
統一会派の最終的な目的は「1つの政党になる」ことで、国民には「このままでは対等合併ではなく、立憲への吸収合併になる」(有力幹部)との不満が渦巻く。枝野氏は「野党の『大きな構え』をつくる」と説明するのに対し、玉木氏は「大きな塊」と表現するなど、認識の違いが際立つ。
一方、統一会派構想の背景には、憲法改正問題での玉木氏の「変心」があることも間違いない。玉木氏は7月のインターネット番組で「私は生まれ変わった」と改憲論議に前向きに取り組む考えを明らかにしたうえで、「首相と議論したい」と踏み込んだ。
枝野氏が「安倍政権下での改憲論議には応じない」とかたくなな態度を崩さないのに対し、玉木氏は安倍晋三首相との論戦に応じることで、国会の改憲論議での野党側の主導権を握る狙いがあるとされる。
玉木氏は「原発廃止」には踏み込めない
ただ、改憲論議に踏み込もうとする玉木氏に、国民内部には「自民党の思うつぼ。首相が主張する国会での改憲論議にすぐ飲み込まれてしまう」(幹部)との不安も広がる。
国民が参院での統一会派も模索した改憲勢力の日本維新の会も、橋下徹・元大阪市長が「野党は何でも反対か、是々非々で与党に協力するかの二筋道。維新は後者で成功している」とし、玉木氏に「改憲論議での第2の維新」になるよう勧めている。しかし、「それでは党内左派が飛び出して、立憲民主に取り込まれる」(国民若手)ことにもなりかねない。
その一方で、枝野氏が踏み絵とする原発政策では、国民の党組織の中核となる連合が原発維持派だけに、玉木氏も原発廃止には簡単に踏み込めない。立憲長老の菅直人元首相も、自身のツイッターに「(国民民主党は)原発ゼロに同調できるのか」と疑問を呈する。
さらに、枝野氏が狙う政権交代には共産党との共闘が不可欠とされるが、国民の大多数の議員は「共産排除」の立場だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら