ハンモック付きの「賃貸」に住む斬新すぎる選択 家余り時代に増える「個性豊かな賃貸」の実態
ネットの高さが2階フロアに該当するので、「高くて怖いかな」と思ったが、高所恐怖症の筆者でも気持ちよく寝転ぶことができた。「これなら友達を呼んでホームパーティーを開いたり、SNSに写真を載せることもできそうだ」などと考えながらゴロゴロさせてもらった。
さて、気になるのはこの建物の構造だ。基本構造は、コンビニエンスストアにも採用される「門型フレーム」で、木造でも開放的な間取りと耐震性を確保した。大空間を快適な室温で維持するために、断熱材をその地域の基準より厚くしたり風の通り道をつくったりして、省エネ性にも配慮した。また、室内の壁にも木材を多用することで、住む人がDIYで好みの装飾にできるようにもしている。
鈴木氏に「STAPLE HOUSEⓇ」を企画した理由を聞いた。郊外で駅から距離があるという、決して条件がよいとは言えない賃貸住宅の場合、ありきたりの住宅では人が集まらない。解決する手段として、「住み手が望むライフスタイルを見極める」「新住民を呼び込み、地域の価値を上げる」といった視点を重視したという。もちろん、前提として緻密な地域マーケティングや事業性の検証などが行われている。
その結果、写真のような、開放的で、住む人の創造性を重視した住まいが実現したというわけだ。
賃料は周辺相場より高めの16万円としたが、すぐに2棟の入居が決まった。タイムシェアで活用していた残り1棟は、今回賃貸化するに当たって19.5万円に設定したが、すでに入居が決まっている。立地面のデメリットを商品力でカバーできたわけだ。
「ゴルフ好き御用達」の賃貸
クリーク・アンド・リバー社が企画を手掛けた、ほかの賃貸住宅を見ていこう。
茨城県古河市の「GOLF LiViNG KOGA」は、ゴルフ好きに特化した総戸数20戸の賃貸住宅だ。
高齢者向け住宅をリノベーションし、共用部分にパッティングの練習ができるパターコーナーを複数設け、大型ラウンジにゴルフシミュレーターを設置するなどでコンセプトを際立たせた。
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