日経平均は5日ぶり反発、米中対立に緩和期待 中国の元安誘導懸念一服、TOPIXは小幅下落

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 8月8日、東京株式市場で日経平均株価は5日ぶりに反発した。朝方しっかりで始まった後、マイナスとなる場面があったものの、きょうの人民元の対ドル基準値が当局の元安誘導を想起させるものではなかったことで、米中対立が緩和するとの見方が広がった。写真は東京証券取引所で昨年10月撮影(2019年 ロイター/Issei Kato)

[東京 8日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均株価は5日ぶりに反発した。朝方しっかりで始まった後、マイナスとなる場面があったものの、きょうの人民元の対ドル基準値が当局の元安誘導を想起させるものではなかったことで、米中対立が緩和するとの見方が広がった。為替相場も落ち着いて推移し、市場関係者の間で安心感が生じた。大引けの日経平均株価は、前日比76円79銭高の2万0593円35銭。

7日の米国株式市場で、主要3指数が序盤の大幅安から切り返したことや、上海株などアジア主要株指数が反発に転じたことも好感された。6日につけた直近の立ち会い中の安値2万0110円76銭から500円超の戻りを演じ、テクニカル的にも目先底打ちとの印象を与えている。

前日までの4日続落で突っ込み警戒感が台頭していた中で「きょうについては外部環境に悪材料が見当たらないため、買い戻そうという機運が高まった。ただ、TOPIXの戻りが鈍く、日経平均も自律反発のレベル。それでも、前日と比べると下値不安は後退している」(国内証券)といった声が出ている。先物市場では、アルゴリズム取引の買い戻しも観測された。

市場では「前日に続き、人民元の対ドル基準値の水準に対する警戒が異様に高まっていた。この程度にとどまったということで冷静さを取り戻した」(岩井コスモ証券の投資情報センター長、林卓郎氏)との指摘もある。

人民元の対ドル基準値は、世界的な金融危機以降初めて1ドル=7元を超える元安水準に設定されたものの、市場予想と比べて元高方向となり、元の下落抑制に向けた当局のシグナルと受け止められた。

個別では、第1・四半期で上場来最高益の決算となったジャストシステム<4686.T>がストップ高となるなど、引き続き好決算銘柄を物色する動きが目立つ。主力銘柄は、トヨタ自動車<7203.T>が堅調な半面、ソニー<6758.T>はさえず、高安まちまち。指数への寄与度が高いファーストリテイリング<9983.T>がしっかりだが、ソフトバンクグループ<9984.T>は値を消す展開となった。

TOPIXは、前日比で0.08%下落し、1498.66ポイントで引けた。

東証1部の騰落数は、値上がり1088銘柄に対し、値下がりが962銘柄、変わらずが99銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      20593.35+76.79

寄り付き    20529.29

安値/高値   20462.98─20682.24

 

TOPIX<.TOPX>

終値      1498.66 -1.27

寄り付き    1496.56

安値/高値   1492.48-1504.60

 

東証出来高(万株) 118706

東証売買代金(億円) 20878.40

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