関東とは段違い「最強の私鉄特急」中京・関西編

パノラマカー、ビスタカーなど名車が続々…

京阪電鉄 8000系

京都と大阪の間には、阪急電鉄、JR西日本、そして京阪電鉄という3つの鉄道路線があって、熾烈な乗客獲得競争を繰り広げている。

リニューアルで塗装が新しくなったころの8000系。現在は“プレミアムカー”を組み込んでさらに変身している(中書島、2012年10月26日筆者撮影)
デビューから20年目のリニューアルでイメージを一新した客室(寝屋川車庫、2008年6月27日筆者撮影)

京阪電鉄がほかの2つの路線と違っているのは、淀川の左岸を走っているということ。しかも線路は、右へ左へと“寄り道”して多くの集落を結んでいる。

それに対して、かつて子会社の新京阪鉄道として建設し間もなく合併、その後ライバルとなった阪急京都線は、京阪間を短い時間で結ぶことを使命とした路線だから、線路はひたすら真っすぐである。だから、京阪電鉄は、ある意味「わが道を行く」でよいのだ。新京阪が開通した昭和の初めの頃からクロスシートを採用して「ロマンスカー」と名付け、所要時間が長いのを逆手に取ったような施策を実行し続けてきたことも、その1つといえる。

今では[ロマンスカー]といえば小田急のイメージが強いが、実は京阪電鉄では昭和初期から[ゆったり]を強調するために[ロマンスカー]という言葉を使ってポスターなどで宣伝ししていた。だから、ロマンスカーの元祖は京阪電車なのである。

そのロマンスカーの現代版が8000系である。京阪電鉄の宿願だった京都市内の出町柳延長路線が開業するのに際して、特急用電車が足りなくなるということで企画されたもので、登場したのは1989年のこと。これが思いのほかに評判がよく、“ならば”ということで、あれよあれよという間に、それまでの電車がすべて置き替えられてしまった。

「特別料金座席」の設定も

その評判のもとはどのあたりにあったのだろう。それは、特別な料金を必要としない都市間高速電車として、性能面も設備面も几帳面に、そしてスマートに仕上げた電車だからだろう。車体のカラーリングや、前頭に掲げる伝統の京阪特急シンボル「鳩マーク」を、現代風にアレンジしながら継承しているあたりも、沿線の人には安心できるポイントである。

あれから30年。その間には2階建て車両を組み込んだし、先年からは「プレミアムシート」という名前で、一部の車両だけとはいえ、京阪電鉄の歴史で初めての“特別料金座席”が設定された。このようなアップデートへの努力を怠らないことも、長きにわたって京阪間でクイーンの座を守り続けることができている大きな理由だろう。

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