国鉄技師長・島秀雄氏が語る「昭和の鉄道車両」 月刊「鉄道ファン」創刊号掲載の貴重な対談

談笑する島秀雄・国鉄技師長(右)とJOKR吉村アナウンサー(写真:鉄道ファン図書館)
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(表記や表現は原文のまま掲載しています。一部に現在では不適切な表現がありますが、記事の歴史的価値を尊重し原文のまま掲載します)
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毎度御乗車有難う! ―鉄道ファン訪問対談―(1961年7月・創刊号掲載)
国鉄技師長 島 秀雄氏 ……………S
(きき手)JOKR 吉村アナウンサー …Y
(※JOKR=TBS 吉村アナウンサー=吉村光夫氏)
国鉄技師長 島 秀雄氏 ……………S
(きき手)JOKR 吉村アナウンサー …Y
(※JOKR=TBS 吉村アナウンサー=吉村光夫氏)
Y「島さんがレールファンになられたのは小さい頃からでしたか?」
S「ついにレールファンにならずですよ」
Y「でもJRCの会員の筈ですが」
S「もっと本式のファンになれたならば、良さそうなものなんですが、中途半端におさまって」
Y「いや、それは御けんそん。JRCの初代会長でいらっしゃるんですし、今までもレールファンの集まりとしての会のあり方について、ファンとしての立場で御指導をいただきました。決して中途半端なものとは思いません」
S「では今後もファンの一人としておつきあいいただきましょうか」
9600形は「常識はずれ」
Y「島さんのお父さんも、国鉄で機関車の設計をなさったのですね」
S「僕の父は、自分で図面をひいたことはあまりないでしょう」
Y「お父さんが満足されたという機関車は何形でしたでしょうか」
S「さあ……。苦労したものは沢山あったでしょうけどね、満足したのは……。鉄道として常識はずれのものを造ったようですよ。9600だってそうですしね。C51みたいなものもそうですよ」
Y「96は常識はずれの機関車ですか」
S「そうですよ。狭軌のゲージの上にあんなでかいボイラーをのっけてね。重心が非常に高いでしょう。グレードが動輪の上にのっかっているのも常識ではありませんね」
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