アメリカ人が日本の野球好きに違和感抱く理由 「応援」に表れる日米の野球文化のちがい

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中日の監督に就任し、記者会見する与田剛氏。2018年10月15日、名古屋市にて(写真:共同通信)

“お前”という言葉を子どもたちが歌うのは、教育上よろしくないのではないか――。

中日ドラゴンズの与田剛監督が、同球団の公式応援団がチャンス時に歌う”チャンステーマ”の歌詞に「お前が打たなきゃ誰が打つ」という形で、”お前”という語が含まれていることを問題視し、球団を通じて応援団に変更を呼びかけた。

これを受け、公式応援団は、このチャンステーマの使用を自粛するとSNS上で発表したことが、大きな波紋を呼んでいる。ファンからしてみれば、選手たちに活躍してほしいという思いを込めて、何シーズンもスタンドで歌い続けていたチャンステーマに対して、監督個人の見解としてではあるが、「No」を出された形になるわけだ。

その後、与田監督は「“お前”という表現よりは名前を呼んでもらった方がいい」と、チャンステーマそのものを否定しているわけではないという見解を改めて強調している。

問題視される応援歌の「お前問題」

事態は必ずしも収束したとは言えず、7月10日に本拠地ナゴヤドームで行われたペナントレース前半戦最後の試合でも、対戦相手の広島東洋カープのチャンステーマ(これも“お前”が使われている)が必要以上に注目されていたり、試合終了後に、球場の外で「お前が打たなきゃ誰が打つ」という歌詞を、そのまま歌うファンが少なからず見られている。ペナントレースも後半戦に突入したが、いまだにいつもとは違う形で、選手の応援歌が話題になっている状況が続いている。

バリエーションに富んだチャンステーマ、そして選手ごとに用意された応援歌は、日本のプロ野球の大きな特徴だとも言える。そのルーツは、40年ほどさかのぼる。プロ野球の応援に初めて、トランペットが使われるようになったのは、1975年のこと。広島東洋カープの応援団が、球場に初めてトランペットを持ち込んだのが、元祖となる。ちなみに選手個別の応援歌も、元をたどると、広島東洋カープに行き着く。

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熊村 剛輔 セールスフォース・ジャパン DX ビジネスコンサルティング ディレクター

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くまむら ごうすけ / Gosuke Kumamura

1974年生まれ。プロミュージシャンからエンジニア、プロダクトマネージャー、オンライン媒体編集長などを経て、大手ソフトウエア企業のウェブサイト統括とソーシャルメディアマーケティング戦略をリード。その後広報代理店のリードデジタルストラテジストおよびアパレルブランドにおいて日本・韓国のデジタルマーケティングを統括後、クラウドサービスベンダーにてエバンジェリストとなり現在に至る。

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