巨額補助金はムダ?普及進まぬEV充電器

昨年度補正予算で1000億円計上も…

電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHV)向け充電器の整備が難航している。

 経済産業省は2012年度補正予算で1005億円の補助金(次世代自動車充電インフラ整備促進事業)を計上。14年3月末(13年度末)までに、全国に約10万基の充電器を新たに整備するとブチ上げていた。内訳は、30分程度で充電できる急速充電器を約4万基、充電に時間はかかるがコストが安い普通充電器を約6万基などだ。

 だが、補助金の実務を担当する一般社団法人次世代自動車振興センターの資料によると、現時点で補助金が認められたのは、3000基程度にとどまる。この数字は自治体の充電器整備計画に沿って申請されたものだけをカウントしており、補助金が認められた充電器全体に占める割合は3割程度のもよう。そこから逆算すると、補助金による充電器の設置は全体で1万基。これは計画の1割程度にとどまる。

 とりわけ拡大を目指していた急速充電器はもっと整備が進んでいない。電動自動車向け急速充電器の規格団体・チャデモ協議会によると、日本全国にある急速充電器の設置箇所は、13年2月の1672カ所から、14年1月には1861カ所と、189カ所しか増えていない。

実質負担ゼロで設置できる

EV・PHVを手掛けるトヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、三菱自動車は、補助金で手当てされない分を4社で負担。補助金と合わせれば、実質負担ゼロで充電器を設置できる支援策を行っている。その詳細が発表されたのが昨年11月のため、これを見込んだ申請が今後増えることが予想されるが、それでも当初の見込みには到底及びそうにない。

 事業を所轄する経済産業省製造産業局自動車課は、「全体の補助実績は公表できない。数値の水準によっては、新たに整備しようとしている事業者の意欲を落としかねないため」と説明する。

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