「タレントへの圧力」許す日本芸能界の構造問題

ジャニーズ、吉本騒動を防ぐためできること

記者会見で頭を下げる吉本興業の岡本昭彦社長=7月22日、東京都新宿区(写真:時事通信)

ジャニーズと吉本興業という、日本を代表する大手芸能事務所がスキャンダルに見舞われている。移籍をしたところテレビ局から干された、謝罪会見をしたいと言ったら「所属タレントをクビにする」と脅迫された、そもそも最初から雇用契約がきちんと交わされていなかったというような実態は、どれもタレントにとってあまりに不公平なものだ。

それらはどれも日本の芸能界独特の仕組みが生み出したもので、ハリウッドではありえないことである。今回の騒動をきっかけに、改めてハリウッドと日本の構造の違いについて述べてみたい。

タレントは事務所にとって「お客様」

まず根本的に違うのは、タレントと事務所の関係だ。ハリウッドで、タレントはエージェンシー(事務所に当たる)のクライアント、つまり、お客様である。タレントは、エージェンシーを、サービスを施してもらうために雇い、仕事をするたびに、ギャラから契約にあるパーセンテージ(10%程度)を支払う。

“客”なのだから、そのエージェンシーに満足しなければ、ほかに行くのも自由。だが、エージェンシーの規模や力でその人のキャリアは決まらない。役を取れるかどうかは、あくまで本人次第である。また、エージェンシーから決まった給料は出ないので、仕事を取れなければ、収入もない。

事務所とテレビ局、映画会社の関係も、日本とまるで違う。吉本興業は日本のテレビ局を株主に抱えているが、エージェンシーはテレビ局やスタジオに対して、タレントがより高いギャラを取れるようにアグレッシブな交渉をする側である。1980年代から1990年代にかけて、映画スターのギャラが急騰したのも、クリエイティブ・アーティスト・エージェンシー(CAA)の台頭に始まった、“エージェンシー時代”の到来を受けてのものだった。

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