レクサスはこの30年でどれだけ洗練されたのか 初代LS、最新のRXに乗って見えたこと
私はリベリアで、2019年5月30日にマイナーチェンジを受けたRX450hにも試乗できた。フロントグリルにL字のブロックメッシュパターンを採用したことをはじめ、側面のキャラクターラインのデザインが変更されたのが外観の変更点である。
ボディと足まわりにも手が入れられた。目的は「すっきりと奥深い乗り味を追究」するためとレクサスでは謳う。ボディはスポット溶接の打点を増やすとともに、構造用接着剤の接着長も拡大した。剛性を高めつつ、ステアリングホイールを切ったときなどボディがしなやかにたわんで気持よく曲がることが狙いだ。
コーナリングがたまらない
サスペンションまわりでも改良が施された。ハブベアリングの剛性を高めることで車両の応答性を向上させているし、スタビライザーバーの剛性を上げることで、アンダーステアの軽減とロールの低減をはかっているのだ。
コーナリング中に加速すると車両は外側にふくらむアンダーステア傾向をみせるが、それを抑制するため新しいRXには「アクティブコーナリングアシスト」が採用されている。加えて、EPS(電動パワーステアリング)のチューニングにも改良を加え、リニアなステアリングフィールを実現しているという。
ホテル周辺の道は舗装がよく、道幅も広く、交通量は少ない。ドライブを楽しむにはなかなかよい環境だ。コスタリカのレクサスディーラーの尽力で、本来は運転が許されない外国人観光客の私(たち)も、このときだけ特例的にドライブが出来たのである。
実際に操縦すると、たしかにコーナリングが気持よい。カーブだけでなく、街角のコーナーなどでもフットワークが軽快になったことがわかる。335Nmのエンジントルクに加え、フロントのモーターがやはり335Nm、リアが139Nmとトルクを上乗せするから、加速性のよさはかなりのものだ。
中低速コーナーが連続する道では、アクティブコーナリングアシストも作動するのだろう。コーナーの入り口、途中、そして脱出に向けての加速にいたるまで、加減速と車体の動きのコントロールがドライバーの意のままというかんじである。従来型よりさらに好感度が増した。
前出の佐藤氏によると、レクサスは2017年のLCから新しい時代へと入っているそうだ。はっきりとした言葉では聞けなかったが、運転する楽しさの追求が続けられるようだ。
「これからEV化もするでしょうが、そのときは四輪の制御技術などでレクサスらしさを追究していくつもりです」という言葉が印象に残った。
開発総責任者の視野には、LCから電気自動車までがひとつの線で続いて見えているようだ。私には想像も出来ないが、自信ありげな言葉を聞いていると、期待がふくらんでしまう。
(文:小川フミオ/ライフスタイルジャーナリスト)
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