独断で選ぶ「私鉄特急」、東の横綱級がずらり

ロマンスカーにAE形、各社の代表列車が登場

30000、50000、60000、70000という4系列の特急車が在籍している小田急電鉄。「最新が最高」とは思ったものの、やっぱり小田急ロマンスカーなら連節車だ。

小田急ロマンスカーといえば連節車。車体と車体の間に台車があるのが外見の特徴(東海大学前―秦野間、2018年3月31日/筆者撮影)

連節車。連接車と書くこともあるが、元来の構造的意味合いからは連節車であるべきだろう。では、連節車のメリットとは何だろう。

一般的なボギー構造が1両の車体に2つの台車を取り付けているのに対して、車体と車体の間に台車を取り付けるのが連節車である。したがって、連節車は台車や車輪の数を減らせるので軽量化を実現できる。オーバーハングがないからカーブの通過が楽になることに加えてカーブでスピードを落とさずに済む。対してデメリットはといえば、車体の長さに制限を受ける。修理点検の時に1両ずつ分離することができず工場に特別な設備が必要となる。

ロマンスカーといえば連節車、小田急50000形“VSE”

日本における連節車の歴史は古い。昭和のはじめに、京阪電鉄が“びわこ”という電車を製造するのに採用したことに始まり、札幌や名古屋、横浜、広島、北九州や福岡の市電にたくさん使われた。

郊外電車では九州の西鉄で試験的に使われたほかは、もっぱら小田急のロマンスカーで使われ続けてきた。外国で使われている例としては、フランスの高速電車TGVが知られている。

小田急では、20000形“RSE”はJR東海と規格を揃える必要があり、30000形“EXE”と地下鉄との乗り入れ用60000形“MSE”は途中駅で列車を分割したり併結したりする便のために、それまでの連節車ではなく、ボギー構造とした。

前後の展望席は小田急ロマンスカーに乗るときの大きな魅力(2019年6月26日/筆者撮影)けれど、2005年3月に登場した50000形“VSE”は乗り心地をよくするために車体傾斜という新機軸を採り入れたうえで原点に立ち返り、連節構造を復活させた。

小田急ロマンスカーのもう1つの大きな魅力である、前後の展望席も失われた。

ところが2018年に姿を見せた最新の70000形“GSE”は、見晴らしをさらに工夫した展望室は設けられたものの、“ホームドアに対応するため”にボギー車になってしまったのである。

外見では連節車に見えるように工夫している気遣いはうれしいが、「やっぱりね」である。次のロマンスカーはVSEに続く連節車を期待したい。

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