社会をよくすることを選んだ
長い休みを取ってご家族で海外滞在することもあるそうですね。
はい。オーストラリアのパースに滞在し、子どもたちを現地の学校に通わせたこともあります。子どもが5人いると、それぞれ個性が違っていて面白いですね。例えば、初めての場所でも全然平気な子もいれば、新しい環境に馴染むのが苦手な子もいる。バスケが得意な子もいれば、サッカーがものすごく得意な子もいたりと、いろいろです。
長期休暇の取得は、グロービスの社員にも勧めていて「夏休みは2週間取りましょう」と毎年呼びかけています。外でいろいろな経験をしたことが、仕事にも活きると思います。
一般的に言って、ベンチャー企業の創業期は非常に忙しく、起業家は家庭の時間を持てないことが多いです。なぜ、忙しい中でも家族との時間を作ろうとしたのですか。
なかなか難しい質問ですね。きっと「起業家」とひとくちに言っても、経営者として急成長したいと思えば、短期的に経済的な価値を追求することになるでしょう。
一方、僕自身は企業を大きくすることより、社会を良くすることに興味があります。グロービスは上場していませんし、これからもしません。これについては、ある時期によく議論をして決めたことです。株主利益を追求して短期的な経済メリットを追い求めるより、長期的に社会を良くすることを選んだのです。
そのために大学院を作り、また起業を支援するためにベンチャー・キャピタルを作り、日本に産業と雇用を生んでいます。こういう形でグロービスはアジアNo.1になることを目指していて、これには時間と評判が必要で、じっくり取り組むことが大切です。
社会を良くする…ということが目標になったら、自分の家族を大事にするのも当たり前に感じられませんか。
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