外国人客はバスを「グーグルマップ」で検索する 岐阜県・馬籠宿の路線バス調査で見えたこと

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中山道は日本の豊かな自然の中を通り、江戸時代に参勤交代で用いられていたことから「サムライの道」とも呼ばれる。そのため「日本らしさ」を感じたい欧米系の観光客に人気がある。

中でも馬籠宿と妻籠宿(長野県)の間は人気が高い。理由としては公共交通によるアクセスが比較的容易で、宿場の間が8kmと適度な距離であり、石畳の道と自然を楽しみながら歩くことができることが挙げられる実際に2016年には2万人以上の外国人観光客が歩いたという推計もあり、これは同区間を歩いた観光客の5割以上を占めている。

では、馬籠宿を訪れる旅行者はどのようにして今回のバス路線の存在を知ったのだろうか。バス情報の入手手段の調査結果によると、日本人は観光協会のホームページを利用した人が圧倒的に多いものの、外国人はグーグル検索を利用した人が2割を超えていた。調査はグーグルマップの情報を整備して半年弱の時期だったにもかかわらず、かなり多く利用されていたのだ。

1996年から運用されている日本の観光案内サイト「japan-guide.com」の情報を利用している観光客も多かった。同サイトの「Hiking」特集ページでは「Kiso Valley」として中山道跡のハイキングを紹介しており、バス時刻表も掲載している。だが、このサイトのみでは「中津川までの交通機関」の時刻をあわせて知ることは難しい。空港などからの移動方法をトータルで調べられるという点で、グーグルマップが活用されているといえるだろう。

バス情報整備を進めた理由

ところで、中津川市はなぜGTFS-JPに基づくバスデータ整備を行ったのだろうか。

中津川市は2017年に「地域公共交通網形成計画」を市の職員自らが策定した。通常はコンサルタントに委託することが多く、市職員自らが策定するのは異例だ。そして同計画を市への移住施策と結びつけ、公共交通に関するさまざまな取り組みを始めた。例えば、コミュニティバスにリアルタイムの位置情報を発信できる端末を取り付け、地元企業と協力して病院にリアルタイムのバス情報を表示するデジタルサイネージを設置するなどだ。

そして、バスの利用環境を整備する一環として計画されたのが「インターネットによる経路検索の充実」だった。その基礎データとして、グーグルマップにバスの情報を掲載できるフォーマットに基づいた、データの整備に至ったというわけだ。

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