年を取っても「眠れる人」と「眠れない人」の差 よい眠りを得るにはどうしたらいいのか

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まずはよい眠りが得られる方法を試そう。カフェインやタバコ、刺激物、とくにアルコールの摂取は避けるか最低限にとどめよう。グラス1杯のワインを飲むと入眠しやすくなるかもしれないというのは事実だが、眠りの質や持続時間という点ではマイナスに働くことも多い。

日常的に、それもできれば戸外で運動するのもいい。ただし就寝時間近くにやるのはやめておこう。昼間もしくは夕方の早い時間に自然の光を浴びれば、就寝時間に眠くなるように体内時計をセットするのに役立つ。

寝る前には重たい食事を食べるのはやめておこう。空腹を覚えたら、軽いおやつを食べよう。バナナや温めたミルク、全粒粉のクラッカーといったものなら、入眠する力を高める効果が期待できる。

寝る前のスマホは避けたい

寝る前の読書はいいが、全米睡眠財団は液晶画面を搭載した電子ブックリーダーやスマートフォン、タブレット、コンピューターやテレビからのブルーライトを、寝るときに浴びるのはよくないと注意喚起している。ブルーライトの刺激が天然の睡眠ホルモン「メラトニン」の生成を抑制し、入眠を妨げるのだ。そうではなく、明かりのもとで紙の本を読むか、ブルーライトを出さないタイプの機器を使うといい。

もし眠りにつこうとしているのにとりとめのない考えが頭に浮かぶようなら、もしくは何か大事なことを忘れてしまいそうで心配なら、メモ帳とペンをベッドの脇に置いてメモを取って、後は朝まで脳みそを遮断すればいい。

たぶん、自分自身が招いてしまう問題で最もよくあるのが不安だ。ささいな問題を過大に気にしたり、ことによく眠れなかったらどうしようという不安は、「さらに目がさえて、リラックスや眠る力を削いでしまう」とスピラは言う。夜眠れないときの私の対処法は「ひどいことにはならない」と自分に言って聞かせることだ。次の日も何とか切り抜けられるし、明日の夜はもっとよく眠れると。

すでに起きたことやこの先直面することについて悩むのは、質のいい眠りにとっては非生産的だ。ストレスは覚醒や不眠を引き起こす脳の部位を活性化する。1930年代の名曲「明るい表通りで」にあるように、「心配なんて戸口に置いて、明るい表通りに足を踏み出して」みてはどうだろう。言い換えると、脳みそをリラックスできる考えでいっぱいにして、不安を招く考えが入り込めないようにしようということだ。

(執筆:Jane E. Brody記者、翻訳:村井裕美)
©2019 New York Times News Service

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