マツダ「ロードスター」はどう進化していくのか 開発責任者が語る「未来のロードスター」とは
7月初旬の土曜日、梅雨空のマツダR&Dセンター横浜(横浜市神奈川区)に、マツダファンたちが集結した。この日行われていたのは、日本最大級のロードスターファンクラブ、ロードスター・クラブ・オブ・ジャパンが毎年、自主的に開催するロードスター展だ。7月の土日祝日に開催し、今年は合計9日間実施する。
このロードスター展は、日本屈指のライトウエイトスポーツカー、マツダ「ロードスター」がファンと共有してきた30年間という“楽しい時間”を再確認する場だ。マツダも場所の提供などでサイドサポートしている。
生誕30周年を迎えたロードスター
ロードスターは1989年に初代(型式NA)が誕生以来、2代目(NB)、3代目(NC)、そして2015年に現行の4代目(ND)が登場し、2019年に生誕30周年を迎えた。
マツダは、専用色レーシングオレンジのロードスター30周年記念車を世界で3000台発売すると発表し、日本ではソフトトップモデル110台、電動オープン仕様のRFが139台の合計249台を予約発売。予約が殺到し倍率は20倍近い希少車である。30周年記念イベントとしては、10月13日にマツダのテストコース・三次(みよし)試験場(広島県三次市)が控えている。
ロードスター・クラブ・オブ・ジャパン会長の水落正典氏(59)は「ロードスターと同じ時代を生きてこられたことがとてもうれしい」、また「ロードスターはわれわれにとって家族の一員です」と、約1200人の会員の気持ちを代弁した。
筆者は、ロードスターを個人所有した経験はない。だが、マツダ主催の広報関連イベントやアフターマーケット向けの部品開発などで、これまで数多くのNA、NB、NCに触れてきた。NDでは、2015年1月にスペイン・バルセロナで行われた世界初のメディア向け公道試乗会に参加しマツダ関係者と膝を突き合わせてロードスター談義をした。
もちろん、10月三次での30周年記念イベントは現地取材する予定だが、その前に、ロードスターの歩みを改めて振り返り、ロードスターの未来について考えてみたいと思った。そこで今回、広島から来ていたマツダ商品開発本部・ロードスター担当主査の齋藤茂樹氏に、ロードスター展にお越しいただき、R&Dセンター横浜の構内で1時間強にわたりロードスターについてじっくりと話を聞いた。
齋藤氏は1989年入社でNB時代から車両実研部でロードスターの開発に携わり、近年は車両開発推進部の人馬一体アカデミー校長やNDー副主査など経て、今年5月から商品本部でNDの主査に就任している。
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