7年ごとに来る「夫婦危機」脳科学から見た必然

定年前後の最大難関は乗り越えられるか

夫婦の愛とは「わかり合い、譲り合う」ことではない。ムカつき合うことこそ愛の正体だったのである。

そうとわかれば、覚悟を決めればいい。夫と妻がわかり合えるだなんて、つゆほども思わないことだ。「あのとき 同じ花を見て美しいと言った二人」が「素晴らしい愛」なのだとしたら、その二人は生存可能性の高い夫婦にはなれない。そもそも、同じ花なんか見ちゃいない夫婦が、最もいい夫婦なのだから。

わかりえないと覚悟を決め、二人ができるだけムカつかないように工夫して生きる。その工夫がうまくいった二人は、阿吽の呼吸でけんかを寸止めできる、唯一無二のペアになるに違いない。

二人の間には、「わかる、わかる」系の共感をはるかに超えた、深い理解が生まれるだろう。自分を絶妙に補完する相手であることを知るわけだから。自分が相手を補完していることで、新たに自己価値を見出すこともあるだろう。そこには、見たこともない強い絆が生まれるはずである。

何事も準備が大事

目の前の相手と、定年後は40年、24時間、日がな一緒にいるのなら、互いの達人になってしまう以外に、心の安寧を得る道はない。そこでここでは、定年退職の前に、互いが互いの専門家になるための「妻のための夫学」「夫のための妻学」を1つずつ紹介したい。

長い年月をかけてこじれたものを元通りに直すには、時間がかかることもある。「夫婦関係がこじれているな」と感じているなら、できるだけ早く以下を理解し、行動を変え、ぜひ「阿吽の呼吸」の定年後を迎えてほしい。

まずは夫から。定年して家に入る前、夫には「絶対に」マスターしてもらわなくてはならないことがある。それは会話のたびに「共感」というクラッチを踏むことだ。

マニュアル車は、加速するときも減速するときも、クラッチを踏む。そうしないと動力が駆動部にうまくつながらず、車がスムーズに動かないからだ。

女性の会話はそれに似ている。否定するときも肯定するときも、女性脳はまず共感をほしがる。

例えば「なんだか腰が痛くて」には、まずは心配そうに「腰か、それはつらいなぁ」と応えてほしい。このとき「医者に行ったのか」「早く医者に行け」は、最悪のNGワードになる。問題解決は一生しなくていい。なぜなら女性は問題解決の方法など、すでに心得ているからだ。

問題解決してあげたかったら「片付け物は俺がするから、座ってて」と、家事手伝いを申し出るのが一番いい。「温めてみる?」なんていうのも親身な感じがしてとてもいい。

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