母娘を6年間引き裂いた衝撃の「誘拐犯」の正体

火災で「死亡した」はずの娘をさらったのは…

アリーヤが駆け寄った先には、彼女の「母親」がいた。なんとその女性は、別れた夫・ペドロのいとこ、キャロリン・コレア。

誘拐犯は、あの日、「ルースとまったく同じ日に女の子を産んだ」と話していたキャロリンだったのだ。

キャロリンは、ルースの家からおよそ30km離れたニュージャージー州で暮らしていた。デリマールを連れ去る前から、周囲には「妊娠した」と話していたと言う……。のちの捜査では「当時の交際相手をつなぎとめるためのうそだった」と見られている。

あの日、ルースの家を訪れたキャロリンは、火災発生直前に、2階のトイレに行くふりをして、ヒーターの前にスプレー缶を置いた。高熱によって、破裂・引火する「時限式発火装置」の役割を果たしたと思われる。

爆発音と火災、その混乱に乗じて、ベビーベッドに寝ているデリマールを、キャロリンは何らかの方法で連れ去ったのだ。

その後、キャロリンは「自宅で出産した」とする出生証明書を偽造。赤ちゃんをアリーヤと名付け、周囲に気づかれることなく、近所でも評判のよき母を演じ続けていた……。

誘拐犯に奪われた娘を取り戻せ! 

パーティー会場でアリーヤに近づくルース。本当は今すぐ抱きしめたい……でも、どうすれば誘拐犯・キャロリンの手から娘を取り戻せるのか。このとき、ルースの頭に思い浮かんだのが、テレビで見た刑事ドラマの1シーン。ちょうど事件捜査にDNA型鑑定が導入された頃だった。

「ねえ、髪の毛にガムがついているわよ。取ってあげるわね」ととっさに嘘をつき、ルースはアリーヤの髪の毛を引き抜いた。DNA型鑑定をすれば親子関係を証明できると考えたのだ。

しかし、警察は捜査対象ではない人間の鑑定を受け入れてはくれなかった。自費による高額な専門機関での鑑定を勧められたが、困窮するルースには不可能。

さらに当時の技術では「毛根」が必要で、途中で切れている少女の髪の毛では鑑定自体が不可能だったのだ。

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