一生、学習意欲が持続する人の知られざる習慣

もっと若いときに知りたかった真実

人間は本来、とても怠け者の動物です。「本を読め」と言ったところで、それだけでは読みません。「本を読まなければ」と理屈で考えているうちは、本気で取り組むことはないでしょう。しかし、強い動機があれば、それが読書のトリガーになります。

「本を読まないと、就職できない」「本を読まないと、落第する」という状況に追い込まれたら、学生は勉強する(本を読む)ようになるはずです。

最新の脳科学によると、向学心や好奇心は、18~19歳でピークを迎えるという研究結果が出ています。

この時期にきちんとした学習習慣や学習意欲を身に付け、「学ぶことは楽しい」という感覚を覚えると、社会人になっても、学習習慣や学習意欲がそのまま持続します。そして、社会人になっても学び続ける人は、生涯所得が高いことが実証されています。

すなわち、楽しく豊かな人生を送るためには、18~19歳での「読書体験」や「学習習慣」が決定的な役割を担っているのです。

世の中の「ファクト」を考えるために

ここで、僕が読んできた本の中で、最近、印象に残っている本を紹介してみたいと思います。とくに10代をはじめ若い方に向けて、「世の中の“ファクト”について考える」ための本を3冊、紹介します。

・『陰謀の日本中世史』(呉座勇一(著)/角川新書)
本書は、具体的な史実に照らして、もっともらしい陰謀論やトンデモ説を一刀両断に裁く本です。

人はなぜ、陰謀論を信じるのでしょうか。それは、単純明快でわかりやすく、「歴史の真実を知っているという優越感」を抱けるからです。

著者の呉座勇一さんは、歴史の安易な物語化が続いてきたのは専門家が誤りを指摘してこなかったからだ、という主旨のことを書いています。陰謀論を暴いても専門家の研究業績にはなりませんから、無視を決め込む。その結果、陰謀論やトンデモ説は生き続け、フェイクニュースの温床になります。

いまだに「本能寺の変には黒幕がいた」とする説があります。著者は朝廷黒幕説、足利義昭黒幕説、イエズス会黒幕説、家康黒幕説を順に紹介し、それぞれの問題点を史料に基づいて丁寧に解説しています。本書を読めば、本能寺の変に黒幕は存在せず、光秀の単独犯行であったことがよくわかります。

歴史は面白いので、多くの人が安易に物語化します。有名な作家が物語化すると、読者はそれを史実だと信じてしまう。でもそれは、あくまでもエンターテインメントです。史実とフィクション、エンターテインメントと史実は、分けて考える必要があります。

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