一生、学習意欲が持続する人の知られざる習慣

もっと若いときに知りたかった真実

歴史にはさまざまな解釈があってもいい。しかし、解釈には数字、ファクト(事実)、ロジック(論理)という根拠が必要です。

「こういう文献があって、こういうファクトがあるから、こう解釈してもいいのではないか」と、数字とファクトとロジックを使って議論しながら、1つの真実に近づいていく学問が歴史です。

『陰謀の日本中世史』は、陰謀論の誤りを数字、ファクト、ロジックで徹底論破する必読の歴史入門書です。

・『脳はみんな病んでいる』(池谷裕二、中村うさぎ(著)/新潮社)
本書は、脳研究者の池谷裕二先生と作家の中村うさぎさんの対談です。
池谷先生は、本書の中で、脳は「身勝手なストーリーテラー」だと述べています。脳は断片的な情報を与えられると、つじつまの合いそうなストーリーを自然と構築するそうです。

この脳の特性は、「見る」という行為にも関係しています。僕たちはいろいろなものを見ていますが、目の網膜から入ってくる情報は、パルス信号にすぎません、その信号を受け取った脳が、これまでの経験などを基に情報を補完し、解釈しているそうです。池谷先生は、「見る」とは「信じる」に近い行為だと述べています。

なぜ認知症の老人は夫や妻の顔を忘れるのか? 最新科学は遺伝病を根絶できるのか? 天才の37%は発達障害というのは本当か……? 脳の仕組み、脳の歪み、正常とは何か、常識とは何かを知る意味でとても参考になる本です。

・『ファクトフルネス10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』(ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド(著)、上杉周作、関美和(翻訳)/日経BP)
本書は、教育、貧困、環境、エネルギー、人口など幅広い分野を取り上げ、最新の統計データを紹介しながら、世界の正しい見方を紹介しています。

本書のイントロダクションでは、著者のハンス・ロスリング氏が長年にわたって世界のエリート(著名な科学者、投資銀行の銀行員、ジャーナリスト、政界トップなど)に出してきた13問のクイズが用意されています。例えば、「質問3 世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう? A:約2倍になった、B:あまり変わっていない、C:半分になった」などです。

人は10の思い込みにとらわれている

答えはこの本の中で確認してもらいたいのですが、どの質問も大半の人は正解率が3分の1以下で、しかも優秀な人(専門家、学歴が高い人、社会的な地位がある人)ほど正解率が低くなっています。

本を選び、読み、生かすにはどうすればいいか。還暦ベンチャー(ライフネット生命)、古希学長(立命館アジア太平洋大学)にして、希代の読書家が「本を活かせる人の習慣」を、深く、やさしく解説。
『本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法』(KADOKAWA)
書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

仮にこのクイズを動物園のチンパンジーに出したとすると、ランダムに答えるチンパンジーよりも人間の正解率のほうが低くなるそうです。

事実と、世の中の常識的な見方はどうして異なってしまうのか。その理由は、「世界は分断されているという思い込み(分断本能)」や「世界はどんどん悪くなっているという思い込み(ネガティブ本能)」などの10の思い込みにとらわれてしまっているからです。

しかし、数字、ファクト、ロジックに基づいて考えれば、思い込みや固定観念に惑わされず、世界を正しく捉えることが可能です。

聞きかじっただけの情報を基にしていては、適切な判断などできるわけがありません。本書は、「データの裏付けのないものは、勝手な思い込みにすぎない」ことを改めて教えてくれる良書です。

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