マンション市況2極化が招く業界再編の足音 2014年は中小デベロッパーに試練の年?

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「パークシティ大崎 ザ タワー」(品川区)のモデルルーム。客足は順調だ(撮影:風間仁一郎)

実際、目下の価格上昇は「値段が上がっても売れる地域」と「値段が上がれば売れなくなる地域」の2極化を浮き彫りにし始めている。

不動産コンサルティング会社のトータルブレインによると、2013年に首都圏で売り出されたマンションのうち、東京23区では「販売好調」物件の比率が前年よりも大幅に増加(31.6%→48.1%)した。その一方、埼玉(37.5%→27.3%)や神奈川(43.9%→36.5%)では「販売好調」物件の比率が減少した。

「都心など好立地の物件は価格が上がっても需要があるが、郊外となると厳しくなっている」(同社の杉原禎之常務)

デベロッパーも2極化へ?

2極化の波は、業界の構造そのものを変える可能性がある。

都心部の人気エリアで用地を取得する力がある大手デベロッパーは、価格変動にも対応することができよう。だが、資金力に劣る中小デベロッパーが主戦場とする郊外では、物件価格に占める建築費の割合が相対的に大きい。そのため、デベロッパーが物件を供給しようにも、建築費の高騰によって客の予算に見合った価格で販売できないケースが増えていくと見られる。

その結果、何が起きるのか。中小デベロッパーの経営が悪化して大手に吸収される、つまり、業界再編を引き起こす場面が出てくるかもしれない。足元の市況が好調だとはいえ、先行きには注視が必要だ。

梅咲 恵司 東洋経済 記者

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うめさき けいじ / Keiji Umesaki

ゼネコン・建設業界を担当。過去に小売り、不動産、精密業界などを担当。『週刊東洋経済』臨時増刊号「名古屋臨増2017年版」編集長。著書に『百貨店・デパート興亡史』(イースト・プレス)。

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