30年先に「大化けする銘柄」をどう見抜くか 時価総額5倍以上に成長する企業は5%程度

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手前味噌ですが、コモンズ投信が設定・運用する「コモンズ30ファンド」は2009年1月から運用開始し、10年間のトラックレコードができました。平成の30年間で時価総額を5倍以上にした64社中、8社を投資先として現在も保有しています。

その8社とは、ユニ・チャーム(約20倍)、ダイキン工業(約15倍)、SMC(約13倍)、東京エレクトロン(約11倍)、信越化学工業(約9倍)、堀場製作所(約8倍)、資生堂(約7倍)、マキタ(約5倍)です。

こうした銘柄に共通するのは、多くがグローバル企業であることです。「コモンズ30ファンド」は2019年5月現在、30銘柄に投資していますが、このうち21社は海外売上高比率が50%を超えています。しかも、11社については海外売上高比率が70~80%にも達しています。

「長期的な視点を持つグローバル企業」が狙い目

グローバル企業に投資するのは、日本企業であったとしても海外の成長を取り込んでいけるからです。日本の運用会社がアメリカ企業に直接投資する場合、リサーチ体制の不備や、海外企業に対する土地勘がないことから、どうしてもハードルが高くなりますが、グローバル展開している日本企業への投資であれば、比較的土地勘のあるところで海外の成長を取り込んだ運用が可能になります。

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この手の企業に長期目線の投資をします。今、東証1部上場企業の社長の平均在任期間は5年程度です。中には、自分が社長でいる間は大過なく過ごしたいがため、改革を推進したり、次世代の成長への施策を打ったりということを一切しない人もいます。こういう経営者が続いている企業は、どんどんダメになります。

でも、自分の在任期間が5年程度であったとしても、100年先に向けて経営に当たっている人もいます。「コモンズ30ファンド」が投資している先は、まさにそういう目線で経営に当たっていると思われる経営者がいる企業ばかりです。20年、30年という長期で資産を大きく殖やすには、長期目線で経営に当たっている経営者に率いられているグローバル企業の株式を長期保有するに限るのです。

鈴木 雅光 JOYnt 代表、金融ジャーナリスト

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すずき・まさみつ / Masamitsu Suzuki

1989年岡三証券入社後、公社債新聞社に転じ、投信業界を中心に取材。2004年独立。出版プロデュースやコンテンツ制作に関わる。著書に『投資信託の不都合な真実』、『「金利」がわかると経済の動きが読めてくる!』等。

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