「わたし、定時で帰ります」が中国で共感呼ぶ事情 日本の若者と同じく働き方に関して葛藤する
夫婦げんかしたその人は、その後30歳で部署のマネジャーに昇進し、農村出身にもかかわらず、北京でマンション(約8000万円のようだ)を購入し、専業主婦の奥様(中国で専業主婦になるのは夫の給与が非常に高いことを意味する)と2人の子どもに恵まれ、今は、自由度が高い仕事につき、できるだけ子どもの面倒を見るようになったとのことである。
サービス残業をさせて労働を搾取するブラック企業で働くのではなく、中国人が頑張って働くのは、個人主義をベースに、努力すれば必ず報われる見込みがあるからだ。
中国人は働くことの選択肢が多い
中国人の働き方は、日本の伝統的な働き方と比べ、ずっと「自分勝手」「家族本位」である。そして「今の家族本位」を求めるか、「将来の家族本位」を目指すかで個人差もある。今、日本は残業を減らし、労働時間を厳しく規制しているように見えるが、中国人の働き方に関する選択肢はもっと多いように感じる(むろん、厳しい中国の労働法に従わないといけない)。
中国人はどういうふうに生きていきたいのかを人それぞれで選択をしている(「残業しない仕事+兼業/子育て」「2倍以上の給料をもらえる会社に行きたいので、時間を惜しまずに現在の会社で能力を磨く」など)。日本企業が、中国人社員を採用・育成する際、考慮すべきことである。
日本の若者にとっては「個人・家族至上主義」の高まりという形で、中国の若者にとっては「選択の自由」という、異なったルートを通じて「わたし、定時で帰ります。」に共感が集まったのだ。
つまり、日本と中国の若者の仕事や家族に対する考え方などについて少しずつ近づいてきているといえるだろう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら