北海道並みに厳しい、「JR四国」の生き残り策 利便性改善狙い減便や運賃値上げの可能性も
最近、JRの経営問題と言えば、JR北海道が大いに注目されているが、JR四国も実は同様の危機的状況に陥りつつある。もともと会社や路線規模が小さいため、全国的なスポットが当てられていなかった。しかし、当の四国においては抜き差しならぬ危機感から、地元や各界有識者を集めて議論がなされるようになっている。
まずは2010年に四国経済連合会の呼びかけにより「四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会」が設置され、翌2011年に「四国の鉄道ネットワーク維持」と「抜本的高速化」が必要と提言された。これ以後、高速化の機運として四国新幹線整備促進期成会が設立(2017年)されるなどの動きがあるが、一方で管内各線共に利用の減少傾向は止まらず、状況は一層の厳しさを増した。もはや事業者に経営努力を求めるだけでは鉄道ネットワーク維持は困難な状況が差し迫りつつある。
そこで2017年8月、JR四国からの呼びかけにより、上記懇談会後の状況や取り組みを検証し、広く意見交換を行うため「四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会Ⅱ」が設けられた。そして1年後の2018年9月、「中間とりまとめ(案)」がまとめられ、そこでは随所に「連携」が求められたことから、前提となる情報の共有として、本年3月、JR四国から各種データや経営状況の様子が詳らかにされている。
JR四国が置かれた厳しい状況を公表
JR四国は発足以来、競合機関への対応として大幅な高速化に取り組んできた。線形改良、電化、振子車両の導入などであり、最高速度は予讃・土讃線では1990年に時速120kmへ向上、さらに1993年に予讃線松山まで、1998年には高徳線が時速130kmとなった。
JR発足当時と比較して所要時間は高松~松山間で21分、高松~高知間で35分、高松~徳島間は25分短縮された。併せて高速バスと同水準の額にした割引きっぷの発売、観光誘客に向けては各地で観光列車の運転、高松琴平電鉄や松山の路面電車などを含む乗り放題きっぷ、観光施設とのセット商品、誕生日用のきっぷ、インバウンド用パスなどの発売も展開している。
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