過去のにぎわいが懐かしい「残念な幹線」10選 昔は優等列車が往来し貨物輸送が盛んだった

✎ 1〜 ✎ 53 ✎ 54 ✎ 55 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
9)室蘭本線の沼ノ端―岩見沢間(北海道)

函館と札幌を結ぶ特急「スーパー北斗」は、室蘭本線長万部―沼ノ端間を走り、千歳線を経由して札幌へ向かうため、沼ノ端―岩見沢間は、特急ルートから取り残されている。元々は、道央で産出した石炭を室蘭港まで運搬するために敷設されたのが室蘭本線の起源である。

往時は、頻繁に石炭列車が行き交っていたので、非電化ではあるものの、かなりの区間が複線だった。一部、単線化した区間があるが、現在でも複線区間はかなり残っている。しかし、列車本数が少ないため、私が乗った時は、複線区間ですれ違う列車は皆無だった。列車もキハ40の単行。わびしさ一杯の区間である。

最近廃止されて残念…

10)石勝線夕張支線(北海道)

2019年4月1日付けで廃止となった「夕張線」。末期は閑散としていて、何年か前に乗車したときは、私と同行者と鉄道ファンと思われる人と3人しか乗っていなかった。地元のまともな利用者が皆無では、残念ながら廃止もやむをえないと実感したものである。

しかし、かつては石炭輸送で活況を呈していて、戦前の一時期は複線であり(トンネルの遺構が残っていた)、国鉄再建法でも「幹線」と認定されたのである。

末期の惨状とは別に、近年道内で廃止となった、ふるさと銀河線(旧池北線)、江差線、留萌本線の留萌―増毛とは格の違う路線だっただけに、夕張線にしてみれば地方交通線と同じような扱いを受けたことは無念であったであろう。

実態はローカル線なのに「幹線」に分類される残念な線区は、これにとどまらない。近く第2弾を発表したい。

野田 隆 日本旅行作家協会理事

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

のだ たかし / Takashi Noda

1952年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院修了(国際法)。都立高校に勤務のかたわら、ヨーロッパや日本の鉄道旅行を中心とした著作を発表、2010年に退職後は、フリーとして活動。日本旅行作家協会理事。おもな著書に『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている』『シニア鉄道旅のすすめ』(以上、平凡社新書)、『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)、『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』(光文社知恵の森文庫)、『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)などがある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事