「プリクラ」を女子高生がスマホ時代に撮る理由

業界最大手のフリューが今も生き残った背景

フリューは、1998年プリントシール機事業に参入したオムロンのエンタテインメント事業が発祥。プリ機や消耗品のシール紙のほか、ゲームセンター向けにクレーンゲーム用の景品などを開発・販売している会社だ。

フリューが現在展開する機種の一部。左から「トキメキルール」、「PINKPINKMONSTER2」、「SUU+」(記者撮影)

主要事業であるプリントシール事業の売り上げは、ヒット機種の有無で変動はあるものの、2016年3月期の約88億円(セグメント利益は10.2億円)から、2019年3月期には約96億円(同14.8億円)まで伸ばした。

プリントシール事業の売り上げの大半はシール紙によるもので同社機種のプレイ回数と比例して伸びている。

縮小する市場の中でどのように生き残ってきたのか?

フリューがプリ機市場を牽引する存在となった要因は、技術力だ。

2007年、「目ヂカラ」アップが特徴の「美人―プレミアム―」という機種を発売。この機種から、縦方向だけでなく横方向にも目を拡大する機能を導入した。

これを機に、各メーカーがしのぎを削った「デカ目」競争が激化。果ては、目があまりにも拡大されたプリ画像は「宇宙人」とも称された。

2011年、フリューは目だけでなく肌など全体を加工することで自然に見せる「LADY BY TOKYO」という機種を発売、業界全体の流れを変えた。

新機種の大ヒットを受け、6割超のシェアを獲得したフリューの商品開発力に他社が追いつけなくなった。その後、プリ機で撮った写真を携帯電話に保存できるサイトの有料会員を中心にユーザーを拡大し、現在まで成長を続けている。

自撮りとは異なる価値を彼女たちは求めている

スマホのカメラや加工アプリが普及しているにもかかわらず、今の女子高生がプリを撮り、画像保存サイトに課金もするのはなぜだろうか。

フリューは画像保存サイト「PiCTLINK(ピクトリンク)」を運営。月額300円(税抜)から500円の有料会員数は2019年3月時点で約164万人に達している。ガラケーの課金、スマホサイト課金、スマホアプリ課金で料金は異なる(画像:PiCTLINKのHPより)

最大の理由は、スマホでの自撮りと異なる価値をプリに求めているからだ。

スマホでは日常の何気ない思い出を撮り、イベントや記念など特別なときにはプリを撮るという使い分けがされているという。

シールそのものよりも、友人や恋人、家族で「プリを撮る」というイベントが楽しまれているのだ。

さらに、画像保存サイトを通じてダウンロードしたシール画像をスマホのアプリで再度加工してSNSに投稿するやり方も広まっている。1回400円を払えば照明や高機能のカメラ、加工機能で簡単に「かわいい」を作れるプリは、女子高生たちにとってはベースメイクのような存在とも言える。

女子高生の遊び方の変化を受けて、イベントの時期に大人数で撮れるような撮影スペースの大きい機種や、後から加工しやすいようにシンプルなデザインで撮影できる機種をフリューは開発した。プリと自撮り文化は相互に影響を与えながら共存している。

次ページスマホの自撮りが増えてもプリは廃れない?
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