ベントレー、乗って触れてわかったスゴい実力

運転していても後席に乗っても気持ちいい

それをブランドのDNAと大事にしている結果、標準ホイールベース(3270ミリ)仕様でも全長が5575ミリもあるモデルでも、スポーティ性は守られている。直線が速く、かつ、コーナリングもかなりお得意の「スピード」モデルをミュルザンヌにも設定してしまうのだ。

1931年いらい1980年までロールスロイスの傘下に入っていた時代が長く、パーツの多くの共用していたが、それでもベントレーはターボモデルとか、走る楽しさを感じさせるクルマづくりを続けてきた。

クラシックな雰囲気のリッドを持ったトランクに、Bの文字がモチーフになっているようなLEDのリアコンビネーションランプ(写真:LEON編集部提供)
クロームとウッドがきらきらと輝くダッシュボードはベントレーならではのデザイン(写真:LEON編集部提供)

いまでは明らかにロールスロイスとは一線を画している。ロールスロイスが中立ふきんであいまいなステアリングフィールなど”伝統的な味”を残しているのに対して、ベントレー車はしゃきっとした操縦性だ。ステアリングフィールもやたらクイックではないけれど、しっかり反応があり、いきなり乗ってもとまどうことはいっさいないだろう。

なによりいいのは、独自の世界観のあるクルマだということだ。大きな車体もさることながら、乗りこんでみれば、ちょっと高めのスカットルにすこし隠れるようなドライビングポジションにはじまり、ぜいたくにウッドとクロームとレザーで構成された室内の居心地は何物にも代え難いと思うはずだ。

2770kgの巨体が、静止から時速100キロまで4.8秒

2016年にマイナーチェンジを受け、フロント部分では縦ルーバーのステンレス製大型グリルが採用されるようになった。従来より80mmワイドになったのも特徴だ。

新デザインのヘッドライトは最先端のアダプティブ式である。ハイとローの切り替えを自動で行う。さらに走行状況に応じて照射範囲を自動制御し、夜間の視認性を飛躍的に高めているというのもベントレーの強調点である。

スーパーフォーミングで製作された継ぎ目のないアルミ製フロントフェンダーをはじめ、ルーフからリアクォーターパネルへと続く面は専門チームにより接合面がほとんど目立たないように手作業でロウ付けされている(写真:LEON編集部提供)

アクセルペダルを少し踏み込んだだけで、1750rpmで最大トルクを発生しはじめる6.75リッターV8ターボエンジンは、後輪を駆動して、かなり強い力で車体を押しだしてくれる。すこし”ため”がありながら、重量級の物体が動き出す感覚をドライバーは背中でうけとめる。これこそ重量級のハイパワー車の醍醐味だと思う。

数値をみると、静止から時速100キロまでの所要時間は4.8秒だ。2770キロもある大きな車体のクルマでは信じられないほどの加速力だ。ポルシェ718ボクスターが5.1秒だからそれより速い。

次ページ後部座席は上品な高級仕様を徹底
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
  • ほしいのは「つかれない家族」
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
三菱重工と日立 「統合」破談から<br>10年 製造立国の岐路

10年前に統合構想が破談になった三菱重工業と日立製作所。その後両社は対照的な道を歩み、2009年に伯仲していた時価総額は今や日立が大きく上回っています。本特集では明暗が分かれた三菱重工と日立を主軸に、製造立国・日本の生きる道を探りました。

東洋経済education×ICT