ベントレー、乗って触れてわかったスゴい実力 運転していても後席に乗っても気持ちいい
まだまだ色あせない、最高峰の気持ちよさ
新しいものを追いかけるのもいい。でもたとえば、最新のスポーツシューズでなく、コードバンのダブルモンクで背筋をぴっと伸ばしてキメたい時はないだろうか。クルマで後者に相当するのがベントレー・ミュルザンヌだ。
ルマン24時間レースが行われるサーキットから車名をとったのがミュルザンヌである。初代は1980年から92年まで作られ、いまの2代目は2010年に発表された。
このクルマの魅力は、気持のよさにある。今回乗ったミュルザンヌ・スピードなどは、数値の上でもとてつもないパワーを誇るが、真骨頂は、気持よく早いという、えもいわれる乗り味にある。
ベントレーのおもしろさは、自慢の種がいろいろあるところだろう。たとえばこのモデルのサブネームである「スピード」だ。オリジンは1924年にコーチビルダー(車体架装業者)のバンデンプラが手がけた4座のボディをもつスポーツモデルだ。
いまその名前はスポーティな仕様に用いられている。ミュルザンヌを例にとると、ベースモデルのミュルザンヌが377kW(512馬力)の最高出力と1020Nmの最大トルクであるのに対して、ミュルザンヌ・スピードは395kW(537馬力)と1100Nmとさらに上をいっているのだ。
ベントレーというと、ロールスロイスと双璧をなす英国製の高級車と知っているひともいるだろう。2019年で100周年と歴史は長い。特徴は大きな車体と大きな排気量のエンジン。それでいてスポーティで、第二次大戦前はルマン24時間レースを含めて、数多くのレースを制した。