米JPモルガンの第4四半期、予想上回る利益 貸倒引当金の減少や、コストの抑制が寄与

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1月14日、JPモルガン・チェースが発表した第4・四半期決算は、純利益が53億ドル(1株当たり1.30ドル)、売上高は241億ドルとなった。写真はロンドンの同社で2013年9月撮影(2014年 ロイター/Neil Hall)

[14日 ロイター] -米JPモルガン・チェースが14日発表した第4・四半期決算は、調整後の利益が市場予想を上回った。貸倒引当金が減少したことやコストを抑制したことが寄与した。

純利益は52億8000万ドル(1株当たり1.30ドル)で、前年同期の56億9000万ドル(同1.39ドル)から7.3%減少。

特別項目の影響を除いた調整後の1株利益は1.40ドルと、トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリスト予想の1.35ドルを上回った。

特別項目には、米ビザ株およびマンハッタン南部のオフィスビル「ワン・チェース・マンハッタン・プラザ」の売却益や、バーナード・マドフ受刑者の金融詐欺事件に絡む訴訟費用などが含まれる。

JPモルガンは2013年、一連の訴訟和解費用として200億ドル近くの支払いに応じた。マドフ事件による第4・四半期決算への影響は8億5000万ドルと見込んでいた。

ダイモン最高経営責任者(CEO)は声明で「責任を認め、これらの問題を解決して前進することは、わが社と株主にとって最も利益にかなう」と述べた。

特別項目は利益を1株当たり0.10ドル押し下げた。前年同期は0.02ドル押し上げていた。

特別項目には、ビザ株売却による1株利益が0.21ドル、ワン・チェース・マンハッタン・プラザの売却で0.08ドル、マドフ事件和解などの司法関連費用の0.27ドルが含まれる。

収入は241億ドル。トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリスト予想は236億7000万ドルだった。

非金利費用は3%減の155億5000万ドル、貸倒引当金は84%減の1億0400万ドルとなった。

12月末時点の資産は2兆4200億ドルで、9月末の2兆4600億ドルから縮小した。ただ、米銀の中ではなお最大規模だ。

投資銀行の手数料収入は3%減少。債券引き受け収入が19%、アドバイザリー手数料が7%、それぞれ落ち込んだことなどが響いた。

一方、株式引き受け収入は4億3600万ドルと65%急増した。JPモルガンは株式引き受け業務の市場シェアが2013年に8.3%に拡大し、ゴールドマン・サックスの11.4%に次ぐ2位に浮上した。

金利の上昇を受けて住宅ローン組成業務は税引き前で2億7400万ドルの損失。前年同期は7億8900万ドルの利益を出していた。利益率が圧迫されたほか、融資が減少するなかコスト削減が追いつかなかった。

JPモルガンは2014年第1・四半期も住宅ローン組成で損失を計上するとの見通しを示した。

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