社会保障改革提言で小泉進次郎氏を採点する 「100点満点」で結局「何点」をつけられるか?

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年金制度の改革を行うにあたり、また、不利益を受ける人がいるかもしれないし不安を持つ人もいる雇用制度の改革を行うにあたり、大切なのはマクロ的な経済運営だ。

制度改革には、経済のコンディションがよいこと、とくに、雇用市場が売り手有利であって全年齢にわたって職を得やすいことが環境として必須だ。そのためには時々の状況に合ったマクロ経済政策が必要だ。例えば、社会保障制度の個々のコスト増に対して個々に時間差なしに財源を手当するような硬直的なルールに縛られていると、制度改革にもマクロの経済運営にも支障を来す。

結局コイズミ君のレポートは何点なのか?

端的に言って、今秋のタイミングの消費増税はしないほうがいいのだが、提言には、こうした議論を呼びそうな問題を避けた印象がある。逆に、消費増税がぜひとも必要だと思うなら、堂々と書けばよかったではないか。

「別の議論に巻き込まれたくないので、取り上げるテーマを絞った」という言い分がコイズミ君にはあるのかもしれないが、テーマに関連して必要なことを総合的に検討するのが「○○戦略本部」の本来の役割であり、何よりも官僚と異なり所轄に縛られずに済むはずの政治家に期待される議論の姿だろう。この点は物足りないから、私が教官なら減点する。

厳しくつけると65点くらいだと思うが(大学なら単位は取れる「C(60点以上)」評価)、コイズミ君は授業参加や課外活動も優秀なので(選挙の応援でも活躍した)、鉛筆をなめて70点(大学なら「B」評価)というところだろうか。

さて、当然持つべき敬意と、まだ少し持っている期待を込めて、「コイズミ君」から「小泉進次郎氏」に戻っていただこう。

提言を読み、メディアで目にする発言などを見るに、小泉進次郎氏は、総裁選、原発問題、消費税、解雇規制緩和など、明確に意見を述べると議論を呼び、時には「炎上」し、場合によっては敵を作るような話題を避けつつ、イメージだけは改革者を維持しようとする「すっかり無難な大人の政治家」になったように思う。

自らのポジションと環境に対する見事な適応例として、窮屈な会社にお勤めのサラリーマン諸氏は、小泉進次郎氏の処世術を手本とすると大変いいだろう(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が、週末の人気レースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

次ページここからは競馬予想。いよいよ週末は日本ダービー!
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