有名企業がeスポーツに協賛しはじめたワケ ゲームと「関係性が薄い会社」が増えている
今回話を聞くことがかなわなかったグーグルですが、Google Pixel 3をモンストグランプリの公式端末として、さらに決勝進出チームへの賞品として提供すると発表しています。スマートフォン市場もすでに成熟しており、最後発であるグーグルとしては、これからスマホを持ち、今後のメインターゲットとなる若者へのアピールをするには、有効であるのは間違いないわけです。
今回の3社による協賛は、単に資金面、サービス面などの支援だけでなく、モンストグランプリのeスポーツの地位向上にも大きな意味があるともいえます。
これまでeスポーツイベントは、使用するゲームタイトルを開発、販売するメーカーによる持ち出しで、位置付けとしてはプロモーション的なものでした。スポンサーがついたとしてもゲーム周辺機器やPCメーカーなどで、販売に直結するものがメインだったわけです。そこからゲームとは関係性が薄いメーカーが参入するようになり、いよいよイベントとしての知名度と集客性を認められたところまできました。
さらに、今回の3社のようなメジャーメーカーが入ることで、たかがeスポーツ、ゲーム大会と一蹴するレベルを超えてしまったといえるでしょう。
スポーツ総合誌「Number」の存在は大きい
とくにNumberの存在は大きく、スポーツ誌としてのオーソリティーがeスポーツを取材対象として認定したことで、eスポーツはやはりスポーツであると再確認もできたのではないでしょうか。
また、今年から参入した上記の3社に加え、昨年に引き続き、ロジクールやカルビー、第一屋製パン、テックウインドも協賛企業として名を連ねています。連続してスポンサーを買って出るということは、それだけ効果を見込めた証拠でもあり、eスポーツが広告媒体としての価値があるということを証明しているわけです。
「Numberはスポーツ総合誌で、記事として取り上げる競技は、野球、サッカーから、オリンピック競技、競馬、F1、プロレスなどと多岐にわたっています。第1特集にこそなりませんが、将棋や麻雀も誌面で取り上げたことがあります。
フィギュアスケートなどは、今でこそ第1特集で表紙にもなりますが、20年前にはまだそこまでの人気はありませんでした。eスポーツはNumberにとってまったく新しいジャンルで、これからの本格的に取り組んでいくスポーツです。いずれはフィギュアスケートのように人気のジャンルになるかもしれない、と期待して記事を作っています」(宇賀氏)
ミクシィは今季大幅な減収減益となる見込みを発表しています。その中においても約40億円の事業領域の投資をしており、プロスポーツ事業に注力しています。eスポーツもその一環と見られており、もはやプロモーションのためのイベントではなく、エンターテインメント事業としての位置付けとなっていると言えるのではないでしょうか。
そこに多くの協賛企業が共感をしており、イベントとしてのモンストグランプリに魅力を見いだしているわけです。今後もイベントとしての価値が高まれば、より協賛する企業も増え、資金が集まればさらにクオリティの高いイベントへと昇華していきます。この相乗効果によりeスポーツは次のステージへ進み、他のエンターテインメントイベントと肩を並べることを期待したいところです。
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