スーツ価格じわり上昇、セール合戦と決別か 高単価品の販売増も平均単価上昇の一因

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サラリーマンの“制服”、スーツの価格がじわりと上がってきている。

紳士服チェーン各社のスーツ単価は1990年代から低下が続いてきたが、2010年ごろに底打ち。最大手の青山商事では、13年春夏物(4~9月)のスーツ平均単価が5年ぶりに2万5000円を突破した。秋冬物も単価の上昇傾向は続いているという。

そもそも、青山商事とAOKIの大手2社のスーツ単価は90年代初頭のピーク時には約4万円と、現在より6割以上高かった。90~00年代に単価が急激に下がったのは、生産面での変化が大きな要因だ。紳士服チェーンはアパレル業界でいち早く、仕入れを国内から生産コストの安い中国に移した。デフレ環境下で低価格攻勢をかけ、百貨店などのシェアを奪う形で成長を遂げてきた。

その後、同業間の価格競争が激化。00年代初頭には、大手各社が1万円台後半と2万円台後半の二つの価格帯だけを販売する「ツープライス業態」を次々に立ち上げ、業容を拡大。「スーツ2着目1000円」などのセールも常態化し、平均単価は2万4000円台まで下落した。

一時は落ち着いたものの、08年のリーマンショック前後にはイオンや西友などの総合スーパー(GMS)が、5000円や7000円の激安スーツを販売。紳士服チェーンもこれに対抗したことで、価格競争が再燃した。

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