「保険でお金を貯める」のはやめたほうがいい なぜ「外貨建て保険」はおすすめできないのか
もはや「日本は国力が低下するから円安になる」というのは、外貨建て保険を売るときの常套句になっています。一見もっともらしく聞こえますが、本当なのでしょうか。
為替の変動の要因は、期間によって異なります。「短・中期」では金利が変動要因となり、金利の高い国の通貨が高い傾向にありますが、保険の対象になっている「長期」では、2つの国の物価の差、つまり購買力平価によります。購買力というのは、モノを買う力のことです。
トルコやアルゼンチンの例でもわかるように、インフレ率の高い国の通貨は、同じ額面でも以前よりも買えるものが少なくなってしまいます。わかりやすくドルで説明すると、例えばリンゴ1個が1ドルだったのが、10年後に2ドルに値上がりしていれば、1ドルのモノを買う力は半分になったことになります。逆に、日本のようにデフレが長く続いた国の通貨は上昇しやくなります。国力と為替には必ずしも明確な関係はありません。
外貨建て資産を持つなら海外株投信で
今後も日本のインフレ率が他の国より低ければ、円の価値は相対的に上がり続けます。もちろん「円の価値が暴落することは絶対にない」とはいえませんが、少なくとも、「日本の国力が低下してどんどん円安になっていく」ということではないのです。
将来、日本がインフレになったときに購買力を維持するうえで、外貨に投資をするのは必要です。でも、それは単純に外貨を持つということではありません。外国為替は円と交換するときの値段が変動しているだけで、金利は生むものの、それ自体が価値を生み出しているわけではないからです。
資産の一部に外貨建て資産を持つことは大切ですが、わざわざ、主に外債で運用している高コストな外貨建て保険という手段を使って持つ必要はありません。
むしろ、外貨を持つなら、低コストのインデックス投信で海外株に幅広く投資するといいでしょう。真央さんも保険はやめて、NISA口座での外国株式インデックスファンドと、個人向け国債変動金利型10年満期で運用することにしました。
このように、保険は商品性をよく理解して、デメリットもわかったうえで契約してください。
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