「保険でお金を貯める」のはやめたほうがいい

なぜ「外貨建て保険」はおすすめできないのか

運用目的で2つの保険を勧められた真央さんですが、夫に「契約する前に、もう少し調べてみたら?」と言われ、ネットで調べると結構ネガティブな情報も多く掲載されていました。そのため心配になって、私の元へご相談に来られたのです。

トンチン年金で元を取るのは難しい

まずは長生きするほど有利になる終身型の保険「トンチン年金保険」についてみてみましょう。

現在53歳の真央さんは、70歳まで毎月約4万4000円の保険料を支払うと(総額約898万円)、70歳から年金として年額36万円が生きている限り受け取れます。その代わり、死亡したときの保障はありません。

保険料は決して安くはありませんので、加入のポイントは「元を取れるかどうか」となります。真央さんの場合、95歳まで生きれば元を取れます。現在53歳女性が70歳になる頃の平均余命(どのくらい生きるか)は、平均21.6歳、91.6歳まで生きる計算です。

「うちは長生きの家系だから検討する価値はある」とおっしゃっていましたが、まさにそこが盲点です。長生きリスクに備えるこの保険は、真央さんのように長寿を考える人が加入する傾向があります。結果、生命保険会社の支払いリスクが高くなると考えられるため、一般的な死亡保険よりも保険料が高くなる傾向があります。

真央さんは、会社員として働いた期間も長いので65歳から受給できる公的年金額は、約180万円の見込みです。ここで、もし公的年金の繰り下げ受給を選択した場合(70歳から受け取る)、5年間受け取らない年金額の合計は900万円で、トンチン年金保険の保険料とほぼ同じです。

一方、5年間の繰り下げ受給で増額する年金額は約75.6万円(180万円の42%)です。つまり、未受給の年金900万円分は、受給開始から11年と11カ月で元を取れることになります。70歳から受給開始すれば81歳のときに元を取れるというわけです。また、公的年金は、インフレになれば、それに合わせてある程度増額されますが、トンチン年金保険は増額されることはありません。公的年金の繰り下げを優先するほうが、長い老後を考えると有利でしょう。

次ページもう1つの「外貨建て介護保険金付き終身保険」は?
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