「保険でお金を貯める」のはやめたほうがいい なぜ「外貨建て保険」はおすすめできないのか

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さて、もう1つの「米ドル建ての介護保険金付き終身保険」を見てみましょう。前出の保険ショップでは「少子高齢化が進む日本は国力が低下して今後円は弱くなります。ですから円安リスクを回避するためにもドルを持つ必要があります。介護保障も付いた保険でお金を貯めれば一石二鳥。返戻率155%で、元本保証もされていて安心ですよ」と言われたそうです。

外貨建て保険は「コストてんこ盛り」の可能性

年間保険料は、1ドル=112.97円で換算して約102万円。払込期間は3年(総支払い保険料は約2万7000ドル)、死亡時、または所定の介護状態(公的介護保険制度の要介護2以上の状態になったときなど細かな要件あり)になれば、保険金額4万2000ドルが支払われます。

「返戻率155%で元本保証されていて安心ですよ」ということですが、元本保証されているのはあくまで外貨ベースです。円安ならいいのですが、もし受け取り時に円高になっていれば元本割れすることもあります。 真央さんも「約束されたものではないのですか?」と驚いていましたが、「返戻率155%」は、契約時と為替レートが変わらないことを前提にしたバーチャルな数字です。

このように、「保険」と名前がついているので「安全」と思っている人がほとんどですが、外貨建ての貯蓄性保険は、為替リスクがあります。決して安全性(元本割れしない)の高い商品とは言えません。

そして、何よりも非常にコストの高い商品なのです。外貨建て貯蓄性保険は、保険と外債や投信などをパッケージにした商品ですので、保障と運用にそれぞれ手数料がかかります。購入時や契約期間中にかかる販売手数料、金利の上昇時にかかる費用、年金受け取り時にかかる費用、購入時や保険金受け取り時には為替手数料、一定期間内で解約すれば解約控除もかかります。ともかく「コストのデパート」です。

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