2月の首脳会談に対し、北朝鮮メディアも事前に関連報道を多く流していたこともあり、そのぶん「合意なし」という結果に落胆した市民が多かったのではないかと、日本人の訪朝者は説明する。国民の失望をなだめるために、交渉実務の責任者だった金英哲氏が解任されたとなれば、納得はできる。実際に、実務交渉メンバーだった金革哲(キム・ヒョクチョル)国務委員会対米特別代表は、元々の所属である外務省に戻された。これは、事実上の更迭とされている。
外交の世界では「首脳会談に失敗なし」とされる。それは、首脳同士が会うまでに双方の実務陣が交渉を重ねながら妥協点を見出し、首脳会談はその妥協点を確認し、発表する場であるためだ。今回の米朝首脳会談では両国の実務陣が協議を繰り返したのにもかかわらず、合意できなかった。「軍出身の金英哲氏は、相手の主張にきちんと耳を傾けないなど、独善的な傾向があった」(北朝鮮関係者)との指摘がある。そんな性格も会談で成果を出せなかった一因と見られている。そのため、金委員長が軍出身者の能力に疑問を抱いたとしても不思議ではない。
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