ボルボ「最高速180km/h」が映す安全の本質 技術面に加え、ドライバーの行動も焦点に

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ではなぜ時速180キロなのか。200キロ台では高速というイメージが強くなるので、そこに乗せない上限を狙ったのではないかと想像しているが、多くの国での制限速度の数字を考えれば、150キロでもいいのではないかという意見が出るかもしれない。

ケア・キーの形状は基本的に現在のボルボのキーと同等になる予定(筆者撮影)

しかしボルボはそうした意見への答えも用意していた。やはり今年3月の下旬、オーナー自身や家族、または友人のために任意の速度制限を設定することができる「Care Key(ケア・キー)」である。こちらは2021年モデル以降のすべてのボルボ車に標準装備される。

ケア・キーのメリットとは

ケア・キーは車両の制限速度を任意に設定し、情報をキーに記憶させることで、走行速度を抑えるという内容であり、150キロはもちろん120キロにセットすることも可能。安全性のみならず経済的なメリットもあると説明している。

4月に発売された新型V60クロスカントリー(筆者撮影)

そのメリットを拡大すべく、ボルボでは現在いくつかの保険会社に対し、こうした安全機能を使用するユーザーに有利な保険の提供を提案しており、近いうちにスウェーデン国内の保険会社との間で、最初の事例を発表する予定だという。

ケア・キーのメリットについて同社では、10代の若者など運転経験の浅いドライバーを挙げているが、最近の東京・池袋での死亡事故などで再びクローズアップされている高齢ドライバーによる重大事故防止にも貢献するのではないだろうか。

さらにボルボは、学校や病院の周辺での速度を自動的に制限できるかについても調査しており、将来的に実現に移したいとしている。

V60クロスカントリーの2リッター4気筒エンジン(筆者撮影)

ただし同社の高性能にこだわらない姿勢は、今に始まったわけではない。例えばパワートレインは、2014年から日本導入が始まった自社開発エンジンを核とするDrive-E(ドライブ・イー)では2リッター直列4気筒を最大としており、6気筒以上へのこだわりを残すほかのプレミアムブランドと一線を画している。

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