慶応vs.早稲田、あまりにも違う"婚活モテ"事情 「オモシロ」重視、それともスペック重視?

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どんなに外見を磨いても「早稲田臭」は消えなかったと振り返る岡本さん。専業主婦を求めるようなエリートサラリーマンではなく、マスコミ勤務や自営業など「変わった」男性たちとの交際だけが長続きした。

「やはり合コンで出会った現在の夫は医師ではありますが、仕事よりも陶芸や絵画の趣味に生きるタイプです。結婚後に医師をやめて学生になった時期もあったり。波乱万丈でした……。結局、経済的な安定などよりもオモシロを選んでしまうワセジョ気質は変わらないのですね」

岡本さんの体験談から次の実情が推測できる。早稲田女性は学歴でモテないのではない。若い頃は外見を磨くという発想がなく、結婚を意識する年齢になっても自他に「オモシロ」を追求する傾向があるため、高位安定を最優先するようなハイスペック男性との相性はよくないのだ。

193人アンケートで見えた傾向

実証してみよう。老舗のネット婚活サービスである「エキサイト婚活」の協力を得て、大卒以上の未婚男女193人にアンケート調査を行い、「結婚相手の出身大学として慶応義塾大学と早稲田大学どちらが好感度が高いですか?」という質問を投げかけた。約8割が「どちらも変わらない」とすげない回答をしたものの、早稲田を選んだのが26人。慶応の19人をわずかに上回る結果となった。

早稲田を選んだ人のうち男性は17人。つまり、「ワセジョ」は多くの男性から選ばれているのだ。その理由は、<早稲田より慶応のほうが、お金持ちを自慢してくるイメージがあるので><令嬢よりも普通の女性がいい><親近感を覚える>といったもので、早稲田の庶民的なイメージが好感を得ている可能性が高い。なお、親近感を覚えると答えた男性は法政大学の卒業生である。

現場の人に分析してもらいたい。仲人型の結婚相談所の大手であるパートナーエージェントには2018年だけで400名を超える早慶出身者が在籍した。同社でコンシェルジュ(顧客担当)を10年以上務め、現在は北関東エリアのブロック長の菅聡子さんは、早稲田女性は「学歴を引きずらない人が多い」と好意的に解釈する。

「好奇心が旺盛で、卒業後もNPOなどで自分が好きなことを仕事にしている方が慶応女性に比べると多いですね。結婚相手に関しては、例えばアニメなど自分が深く関心のある分野で意思疎通ができる男性を希望されたりします」

自分が「好き」を追求しているため、結婚相手にもステータスや年収ではなく好奇心と行動力を求めるのだ。この点は前述の岡本さんも大いに賛同する。同級生にはやりたいことがはっきりしている女性が多いという。

「結婚には目もくれず演劇の仕事を続ける人、年収が自分の半分くらいの年下男性と結婚して自分は出世街道を邁進する人、日本人男性は面白みがない!と言って海外に渡って帰ってこない人、大企業に就職するもやりがいを求めてベンチャーに転職した後に起業してまだ独身の人など、いろいろです。早稲田の女性はまじめでお勉強ができる人も多いので、仕事に忙殺されながらも楽しんで働いているうちに未婚だった、という話もよく聞きます」

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