福岡で見た「外国人技能実習生」の暗くない実情 ベトナム人が急増、就労環境整備は未だ課題

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月に1度、グローバCAのスタッフ(右)と面談する際は、パソコンのビデオ通話でベトナム語の通訳も交えて、ざっくばらんに本音を聞く。この日はダットさんが「もっと長時間働きたい」と話していた(筆者撮影)

佐々木さんは言う。「彼らはすごいですよ。20歳前後で見知らぬ国に来て、新しい環境で仕事をする。その合間に日本語や資格の勉強をして、普段からきりつめて自炊で生活し、家族にお金を送る。親への感謝の気持ちも口にする。いやあ、自分にはとてもできない……。

一生懸命な彼らにこちらも精いっぱい応えたい。技能実習生は働ける期間が限られていて、その後はあまりフォローされていないようです。彼らがこの仕事に興味を持ってくれたら、私は実習後も何らかの形で付き合いを続けていきたいし、ビジネスのパートナーになってくれたらいいなと思います」。

外国人就労を拡大すべく、改正入管法も施行

外国人労働者の受け入れ拡大を図る出入国管理法(入管法)も改正され、4月1日から施行された。法務省から新設された出入国在留管理庁(入官庁)は新しい在留資格である「特定技能」の制度を開始した。対象業種は介護や外食といったサービス分野だけでなく建設など14種で幅広い分野が対象となる。5年間で最大30万人以上を受け入れる方針だ。

この制度は深刻な人手不足の状況に対応するため、専門性や技能を有する即戦力となる外国人を受け入れる制度だ。既存の技能実習制度では5年までで帰国を余儀なくされたが、その後「特定技能」の在留資格を取得すればさらに5年間、合計で最長10年間在留することも可能(技能実習3号まで修了し特定技能1号に移行した場合)だ。3年以上の経験を持つ技能実習生(技能実習2号を良好に修了した者)は「特定技能」1号資格に無試験で移行できる。

外国人技能実習生の低賃金・長時間労働による過酷な労働環境、実習生らの相次ぐ失踪……報道からも垣間見えるように彼らをとりまく状況が厳しいのは事実だ。法務省は、2018年の失踪実習生数が過去最多の9052人になったと発表した。受け入れる日本側も戸惑い、模索を続けている。

しかし、今回福岡の現場を取材してわかったように、夢を抱いて日本で働くベトナムの若者たち、彼らをあたたかく受け入れる日本の人々もいる。

そんな人たちにも目を向けながら、所管する行政機関と受け入れ先企業などが一体となり、社会全体で外国人就労の問題点を是正し、いい環境を整えていくことが望まれる。

佐々木 恵美 フリーライター・エディター

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ささき えみ / Emi Sasaki

福岡市出身。九州大学教育学部を卒業後、ロンドン・東京・福岡にて、女性誌や新聞、Web、国連や行政機関の報告書などの制作に携わる。特にインタビューが好きで、著名人や経営者をはじめ、様々な人たちを取材。

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