アルファロメオ「初のSUV」が日本で売れる理由

FCAジャパンのヘグストロム社長を独占取材

昨年の日本カー・オブ・ザ・イヤーで10ベストカーに選ばれた「アルファロメオ・ステルヴィオ」(筆者撮影)
アルファロメオといえば、100年を超える歴史をもち、第2次世界大戦前には、黎明期のモータースポーツで華々しい実績を残し、その実力を世界に知らしめたイタリア国有の超高級スポーツカーメーカーとして存在した。イタリアの敗戦後、量産車メーカーとして再出発。戦前同様、動力性能のよさには定評があったものの、ビジネスはあまり得意ではなく、1986年にフィアット傘下となり、それまで後輪駆動が中心だったラインナップは、フィアット車ベースの前輪駆動モデルが中心となっていた。
それが2017年以降、彼らが「ジョルジオ・プラットフォーム」と呼ぶエンジン縦置き用、すなわち後輪駆動用の新開発プラットフォームを用いたジュリアとステルヴィオを発売することによって、アルファロメオは、戦前のとは言わないまでも、60年代の栄光を取り戻すかのような輝きを放っているようにも見える。日本でもグローバルでも、当面の好調は維持されるのだろう。昔から得意としてきた「官能的」「スポーティー」「ハイパフォーマンス」といったキーワードによって、彼らが電動化の時代、自動運転化の時代をどう乗り切るのか非常に興味深い。
今後、アルファロメオは日本ではどのような存在になっていくのか。アルファロメオ、ジープ、フィアット、アバルトといった、イタリア車やアメリカ車のブランドを日本で展開するFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)の日本法人であるFCAジャパンのポンタス・ヘグストロム社長兼CEOに聞いた。

輸入車のSUVは総じてライバル

――2018年に日本導入し、日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベスト入りを果たし、アルファロメオ・ステルヴィオですが、日本市場での反応はいかがですか? 

ブランド初のSUVだったので、反応が心配でもありましたが、まずメディアの皆さんの反応がよく、それをきっかけに市場の好反応が広がっていきました。発売前には「スポーティーなイメージが強いアルファロメオがSUVに手を染めるべきではない」という声もありましたが、われわれにはどういうクルマかを知っていただければ、その魅力を理解していただけるという自信がありました。悪くないスタートを切れたと思っています。

FCAジャパンのポンタス・ヘグストロム社長兼CEO(撮影:吉濱篤志)

――競合はどういう車種で、購入者の決め手は何だったのでしょうか?

輸入車のSUVは総じてライバルとなります。現状、ポルシェ・マカンやBMW X4と同レベル、ジャガーF-Paceの約2倍の販売台数を記録していることには満足しています。アルファロメオの場合、購入の決め手となるのは昔から一貫してグッドスタイリングとハイパフォーマンスです。ステルヴィオに関してもその2つの理由によって選んでいただいているようです。加えてドイツ車比率が非常に高いこのセグメントに新たにアルファロメオ初のSUVが投入されたことで、好奇心からも選んでいただいていると思います。

――今春には待望のディーゼルが追加されました。

このクラスの輸入SUVは50%がディーゼル車です。ステルヴィオもディーゼルを得たことで、さらに多くの人の選択肢に入ってくることを期待しています。ディーゼル車の中でも一級の動力性能が備わっていますから、ほかのアルファロメオ同様、パフォーマンスを理由に選んでいただけるクルマだと思っています。われわれはステルヴィオ・ディーゼルを「燃費がいい」ではなく「スポーティーである」とPRします。燃費も悪くありませんが、それだけじゃないということです。

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