アルファロメオ「初のSUV」が日本で売れる理由

FCAジャパンのヘグストロム社長を独占取材

――新世代アルファロメオというべきセダンのジュリアとSUVのステルヴィオですが、購入者はアルファロメオからの乗り換えが多いのでしょうか? それとも他ブランドからの乗り換えが多いのでしょうか?

ジュリア購入者の45%がアルファロメオからの乗り換えで、55%が他ブランドからの乗り換えです。ステルヴィオもほぼ同じで、ほんの少しジュリアよりも他ブランドからの乗り換えが多いですね。アルファロメオからの乗り換えの場合、159はもちろん、スパイダーや147など、さまざまなモデルから乗り換えられています。サイズや価格はバラバラで、アルファロメオからアルファロメオに乗り換えることが重要だったという方々です。コアなファンですね。

――具体的にどのあたりからの乗り換えが多いのでしょうか?

55%を占める他ブランドからの購入者のうち、70%はジャーマン3(メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ)の製品からの乗り換えです。現行モデルの登場から時間が経ってモデルチェンジが近いBMW3シリーズからの乗り換えが最も多いですね(インタビュー後、新型3シリーズが日本導入された)。同じようにステルヴィオもドイツ車からの乗り換えが多く、最も多いのはBMW X3からの乗り換えです。ドイツ車以外だとジャガーランドローバー、ボルボ、レクサスが多いですね。

浮き沈みがあるブランド

――さまざまなブランドを抱えるFCAジャパンのなかで、そもそもアルファロメオはどういう位置づけで、どういう役割を課せられているブランドなのでしょうか? ラグジュアリーブランド? それともスポーティーなブランドですか?

FCAの主力ブランドの1つである「ジープ」(筆者撮影)

FCAは日本で4つのブランドを展開しています。子どもと同じでどれも同じようにかわいいのですが、アルファロメオの位置づけは明確です。パフォーマンスが優れていることです。これはブランド発足以来変わりません。優れたパフォーマンスを示すことによってFCA全体のイメージを引っ張る役目があります。

――その割には、アルファロメオは力が入っている時期と入っていない時期があるように見えます。本来FCAはフィアット500とかジープ・ラングラーなど、新車効果に左右されない他社がうらやむほどのロングセラーをもつ企業で、それらが全体の販売台数を下支えしています。こうしたサステイナブルなビジネスに対して、アルファロメオはグローバルを見ても、元気がある時期とない時期の差が激しいように見受けられますが、何か理由があるのでしょうか?

確かに浮き沈みがあるブランドです。アルファロメオは人々の情熱に訴えかけるブランドであり、新車を投入すると即座に反応し買ってくださる方が多い反面、新車が出ない年には販売台数が著しく落ち込む傾向があります。

ジャーマンブランドのようにモデルラインナップが充実していれば、毎年のように新車が登場し、どれかが落ち込んでもほかの(新鮮な)どれかでカバーすることで販売台数が安定するのですが、アルファロメオにはまだそこまでモデルが充実していないため、浮き沈みが発生してしまうのです。本国も長期的にはモデルラインナップを拡張し、安定的に成長を続けていきたいと思っているはずです。

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